奈良クラブの水増し問題、原因と対策について真剣に考えました。
2019年12月7日に奈良クラブから【ホームゲーム入場者数のカウントに関する調査報告】の発表からもうすぐ3週間です。あの発表以降は水増し問題の改善について、どう取り組んで行くのかがまったく見えてきません。こんな状況では夢スポンサーである身として来期に不安を感じます。そんな時ふと報告内容に納得がいかなかったことを思い出しました。
はじめに
報告内容の全てに納得いかないわけではありません。「嘘だ!」「ほんとだ!」「処分が厳しい!」「処分が甘い!」なんて気持ちも全くありません。しかし、項目4.5については「本当にこの問題と真剣に向き合ったのか?!」と疑問に思っています。よって項目4.5について考えます。
奈良クラブリリース内容
4.水増しが行われた背景
2015 年度にJFL 参入後、J3 昇格基準である年間入場者数3 万人を達成するため、なるべく多く見せたいとの気持ちが働き、徐々に水増しすることが常態化していきました。本年は水増しを止めようと開幕戦に臨みましたが、開幕戦・2 試合目と入場者数が伸びず、このままではシーズン早々に年間3 万人を達成できないことが確定してしまうとの危機感から、2 試合目から水増しが再開され、その後常態化し、シーズン終了まで続きました。
5.対策
今後はこのようなことが再び起きないように以下の対策を徹底し、規定に則った運営に努めてまいります。また関わるスタッフ全員のコンプライアンス意識を高めてまいります。
・入場口でのカウンター計測人員を増員し、正しい計測ができるよう努める
・JFL と相談の上、入場者数の集計用紙に対するチェック機能を強化する
・ 試合当日の集計用紙は1年間保管する
原因の特定は無視ですか?
【4.水増しが行われた背景】では背景のみを語っていますが、原因の特定は無視ですか?。水増しを行った原因は何なのか?!これを追求しなければならないはずなのに、背景のみを語り煙に巻こうとしているようにも受け取れます。言い訳ばっかり言ってないで原因を追究しようとする姿勢を見せてください。ここでは背景のみを語るのではなく、原因の調査、追究、そしてこれらを明確にするべきです。
ほんまに対策する気はあるんですか?
【5.対策】となってますが、そもそも水増し不正を行った原因が追究されていない状況で、何に対しての対策なのか意味不明。内容を見る限りでは、原因を追究していないことで、対策とした内容が全て再発を前提とした対策のみになってます。ほんまに対策する気はあるんですか?。あなたたちがやっていることは原因対策ではなく流出対策です。それと対策なのに「努める」ってどういうこと!「します」でしょ!こんなん「また起こるかもしれないって思ってます!」って言ってるようなもんやん!再発防止を真剣に考えているのか疑わしい対策内容であると言わざるをえない。
私が考える原因
水増しが行われた原因は何なのか。これは色々なところで語られている、Jリーグ、JFL、サッカーの未来の話もあることは理解しています。しかし、それらも奈良クラブにとっては背景にすぎません。いろんな情勢、それぞれの事情があるにせよ、水増しを行ったクラブは奈良クラブだけです。であれば水増しが行われた背景を原因として語ることはできません。
1.なぜ水増しを行ったか?➡奈良クラブを取り巻く情勢が厳しかったから
2.情勢が厳しいクラブ全てが水増ししているのか?➡していない
3.ではなぜ奈良クラブだけが水増ししたのか?
この3番目の「なぜ?」を考える必要があります。
厳しい情勢の中、2015年から水増しすることが常態化していき、それが奈良クラブの当たり前になった。そしてそれは今年も継続された。この奈良クラブから発表された唯一の公式情報をもとに考えると、2015~2019年の厳しい情勢に負けてしまった奈良クラブの雰囲気。そして、その雰囲気に流された奈良クラブスタッフ全員が水増しの原因となります。
私が考える対策
追究した原因を正すことが、今後同じ過ちを犯さないための対策であると考えます。一番早い方法は原因を取り除くことです。しかし今回の原因はクラブの雰囲気と人です。クラブを潰すことや、スタッフ全員を入れ替えることで終わりという訳にはいきません。であればどうするのか。「学び」です。今後、クラブの雰囲気を良くするため、スタッフが二度と雰囲気に流されないようにするために教育するのです。幸いにも奈良クラブには教育する土台があります。
定期的に行っている、N.ROOM勉強会に「コンプライアンス」「ガバナンス」項目を追加して今後の人材教育を行う。そしてクラブの雰囲気を良くしていく。これが原因の対策だと考えます。
まとめ
発生原因:2015~2019年の厳しい情勢に負けてしまった奈良クラブの雰囲気。そして、その雰囲気に流された奈良クラブスタッフ全員
発生対策:N.ROOM勉強会に「コンプライアンス」「ガバナンス」項目を追加し、継続した人材教育を行う。そして人材教育により、クラブの雰囲気を良くしていく。
現場へのフィードバック:入場口でのカウンター計測人員、集計人員には過去トラ(今回の事例)をもとに教育を行います。教育された人材で正しい計測、集計を行う。JFL と相談の上、入場者数の集計用紙に対するチェック機能を強化する。
いくら地方の零細企業だとしても、今どきこれくらいの姿勢は示してほしい。奈良クラブが水増し問題と真摯に向き合っていることを世間に示すためにも、このような内容に再考していただければと思います。