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2018.06.08 紅甘夏マーマレード
空瓶がたまってきた。
このところ忙しくてジャムを煮ておらず専ら消費ばかりしているからだが、初夏のピークに備えてという意図もある。
ジャム界隈の初夏は容赦なくやってくる。「押し寄せる」と言った方が良いかもしれない。
まず、杏だ。
それから、もう出ているが、ルバーブ。
スモモの類。
桃。
ぶどう。
そうこうしているうちに盛夏にはブルーベリー、さらにはいちじく、林檎、洋梨と続き、晩秋まで休む暇がない。
忙しすぎる。
ジャム屋を開業する妄想だけでも鬱になる。
もちろん冬から春にかけても暇というわけではない。柑橘やいちごという王道が旬を迎えるからだ。しかし夏の果物のような「一瞬で旬が通りすぎていくスピード感」は無いため、気分的にはゆったりできる。
そんな気分でなんとなく買った「熊本産紅甘夏」を、そんな気分のままゆったり2週間くらい放置していたが、初夏の足音がそこまで近づいてきてやっと重い腰を上げた。(つまりマーマレードめんどくさい。)
甘夏といったらいわゆる「夏みかん」から発生した枝変わり種で、ただの夏みかんに比べて甘みが強い。さらに「紅甘夏」は普通の甘夏にくらべて外皮が赤み(オレンジ色)を帯びている。若干甘みが強い傾向があるとの触れ込みで、鹿児島や熊本が主な産地。
確かに甘みがしっかりしているが、夏みかん特有の苦味も充分な存在感を発揮しており、マーマレードにし甲斐がある。
あとやっぱり夏みかん譲りの外皮は厚みが完璧。
外皮を刻むのは絶望的にめんどくさいが、包丁を通して伝わる絶妙な感触はそれだけで美味そうに思える。また、薄切りに刻んだその形の、マーマレードをマーマレードたらしめる佇まいは唯一無二といえよう。
とはいえさすがの甘夏で、酸味がそれほど強くないのでレモン汁(ポッカレモン)を多めに添加。
個人的な想いとしては、レモン汁だとレモンの香りが立ってしまうので本当は使いたくない。
以前使ってみて気に入ってるのは「摘果みかん」つまり未熟な青いみかんなんだけどそうそう手に入るわけもない。
クエン酸でも入れればいいのかもしれない。ただ、手作りジャムにクエン酸やペクチンを添加し始めたらなんかそれはもう末期な気がして、手を出せずにいる。
外皮は刻んでから2回茹でこぼし。苦味が強くなりすぎないよう、砂糖はやや多めに50%とした。
あ、でも煮るときに水分が少なくて水を少し加えたので、実質40%くらいかも。果肉自身の甘みが強いので、出来上がりの甘みは充分になった。
それと、今回は外皮の大きさを揃えるようにしてみた。つまり、刻む際に端っこは容赦なく捨てた。少しもったいない気はするが、まったく、出来上がりが美しい。