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日記(笑)

今年の冬は、長く、寒さが厳しかった。

最近は、友達に教えてもらった小説、小川洋子さんの「密やかな結晶」を読んでいる。

ある島で暮らす登場人物たちの記憶が、一つ一つ消滅されていく…という内容で、切なく、静かなお話だ。

バラ、香水、写真など、ありとあらゆる物が消滅していくのだが、ある時「カレンダー」が消滅し、島の季節はめぐらなくなる。

島は、その時、冬だった。


まだこの小説を読み終わってないので、その後の展開は分からないが、

登場人物たちは、冬の寒さや、畑に作物が作れないかもしれない、部屋を暖めるための薪が足りない、と心配する様子であった。

その場面を読んだ時、何となく今年のこの長い長い冬と重なった。

「もう雪は降らないよね?」

と話していた次の週、どっさり雪が積もった今年は、もう春なんか来ないんじゃないかと感じることが何度もあった。


3月を迎え2週間が過ぎた今日、

仕事帰りの車の中から、梅の花がほんの少しだけ咲いているのを見ることが出来た。

肩の荷が下りたように、ほっとした。



 





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