記録映画 [ラーの楽園] パイロット版 (29'12") 撮影日2019年10月23日 1 uncoan 2020年5月31日 07:33 京王線笹塚駅から細長い商店街を抜けると昭和27年創業の古い木造店屋があります。白い暖簾が風に揺れる東京ラーメ ンの老舗「福寿」です。二代目店主の小林克也 (78歳)は土釜の火を絶やしません。いつも大きな鉄鍋にグラグラと湯が 沸いています。克也は気になる客を見つけると突発的に言葉を投げます。やがてリズミカルな掛け合いになり、それは コミカルで味わい深い問答へと発展してゆきます。馴染みの客は笑いますが、いちげんさんなら少しピリッとします。 その語り口に色気があって辛辣だからです。そしてさらに、言葉は意味を超えてスピリチュアルの域に達します。湯気に煙る小さな世界。やわらかな時間が流れる福寿の胎内に客は安堵して紅い丸椅子に腰を据えます。克也は麺を茹 で、スープを注ぎ、具材を盛り付けます。しずしずと歩いて傾いたカウンターか色あせたテーブルにどんぶりをそっと 置きます。派手さはありませんが儀式のように流麗な仕草です。福寿のラーメンは神に奉じる供物なのでしょうか。な らばここは社なのか。いやいやもっと解放された楽園だと思います。ラーの楽園。二代目店主小林克也は神主でも仙人 でもありません。人間に精気を吹き込むエンジェルに近いと感じます。そんな映画になりそうです。出演 小林克也 ( 福寿二代目店主 ) お客さま監督撮影 鈴木亮 ( 劇映画[ふと、] BS-TBS[郷愁の街角ラーメン] )製作プロダクション 有限会社 雲呼庵 #ラーメン #福寿 1 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート