0604


5月の短歌、16首。

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リロードをしているあなたの事だけは覚えていると指切ったので

あかねさす紫野行き標野行き向こうのホームにそっと手を振る

手遅れだなんてフレーズ使いたいだけでしょ?踊り場から飛びなよ

閃光が走る夕暮れ輪郭をヘッドライトに晒して踊る

とうに言えないことをただ飲み下し謝ることもできないままだ

変わらないことを知ってる緩やかに水平線を描く遮断桿

墓石へ献花されるその花言葉のひとつが憎悪だって知ってる

そんな事とっくのとうに知っていてそれでも言うよ(君に会いたい)

屋上に残る水溜りへひとり紫煙を溶かす水曜の午後

道化じみた仮面つけても奇跡とか起こせやしないしもういらないね

忘れ去られた惑星のテレビにはさよならの文字さえ映らない

息をつく間もないほどに過ぎていく日々にかえって安寧を得る

春光に薄く溶けてく消えてゆく輪郭さえも思い出せない

手のひらと手のひらをひた合わせてさ体温高いねって笑ってほしい

また春が巡ってきたら君のこと思い出すかもしれないたぶん

あの時が愛おしすぎて手放せずセーブデータを上書きできない

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