0731
6月7月の短歌、16首。
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明けない夜なんてないって歌ってたアーティストの名前なんだっけ?
スマホから弾ける音を浴び雨天、傘を差さないのと同じこと
ひとりとは怖いものだと思ってた深夜の自販機はただただ明るい
ヒツジなら数え飽きたよ今日はクジラを大家族にする夢を見る
吸えもしない煙草を買いにコンビニへ行こうか迷う行かない三時
脳内に浮かぶクジラはデカ過ぎて一頭いれば十分みたい
ねえクジラ、明日とかもう来なくても良いって思う、ねえそうでしょう
人間は夜しか眠れないっていう訳でもないし別に良くない?
ああクジラ、どうも温いと思ったらずうっとそこにいてくれたんだね
また朝が来たことについてどう思う?140字では語れない
しばしばと乾いた目には朝焼けが眩しすぎてこれはそういう涙
明けない夜なんて無いって笑ってよ瞼の裏の青い残像
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八畳は君と生きるには狭いけど君と生きてく訳でもないし
冴え冴えと月のある夜はあなたにも光が添うと教えてくれる
不可分な月の光を分かち合うために利き手を君へ差し出す
八月が来るたび君を思い出すのは祝福と呼べるだろうか