0503

4月の短歌、14首。

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まだ春を待っているのだまだ君に会えてないから始まってない

来世にはクラゲになりたい人たちで図録囲んで種を決めようか

吹きすさぶ風に視界を塞がれて春のあわいに君を見紛う

授業にも出ずにあなたと陸橋を渡る想像ばかりしていた

桜吹雪/轟音と降る大輪の花火/後ろ手に持つグレネード

忘れてと言うなら忘れる方法をきちんと用意してから言って

花に嵐、忘れ得るなら定石の通り声から忘れてしまえ

無灯火にスマートフォンの光だけくゆるクジラが横ぎっていく

また同じことを言ってる?ああこれは僕の人生のサビなんだごめんね

撃鉄を起こせ/快晴、喉元に張りつく声を剥がす代わりに

眼裏で多分あなたは微笑んでいるそういった夢を見ている

眠れないひとの手をとる手の甲に文字を書くから当ててみせてよ

適当に回したラジオの周波数 寝落ちたらもう会えない気がした

平静にいられず時は過ぎていくいっそ無邪気に走れ祝いに

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