0306
2月の短歌、11首。
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再上映ばかりしているただいつか何かが変わるような気がして
君をうたうことに夜更けに降る雨のようなたしかな安寧を得る
深呼吸して肺胞に取り込んだ酸素が君にやさしく在って
明日はさ晴れてほしいねって言うときのかすかに緩む室温が好き
深夜2時、伸ばした指の先につと音を乗せたら衛星になる
深夜未明、アコギの音で上等な何かになれた気がしてしまう
夜をいく君の見たことないような光で横切ってみせるから
薄氷を下ろした踵で割ったのだ全部何だって良いって顔で
君の泣き顔が綺麗で(慈雨だ)って思うその手を掬えずにいる
クロスフェードばかり聴いてて前世から君を知ってる気さえしている
エンドロールばかり見ていたから流れ星の行きつく先を知らない