0906
8月の短歌、14首。
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そうこれがきっと最後のさよならだ止まらない快速が過ぎてく
向日葵を手折って全部嘘だって吐き出すように空へ掲げた
今ここが“終わり”だ胸に手を当てて一言だけを許してやろう
見送られる時より見送る時の方がさびしい切符が無いからなのか
横たわり君を銀河と呼べたなら僕らはこうじゃなかったのにと
晴れ渡る空に霹靂、階段を踏み外すように恋に落ちたい
星型を宙に描いて順番は違っても良いよどうか自由に
蝉が鳴く。額を拭うその先にどうか貴方を見せて陽炎
サーキュレーターだけ回る零時過ぎ、“ ”のことしか考えられない
傾ける愛を測りたい訳じゃないのに好きなものほど話せない
六時間後の手の甲にまどろみが口付けをしてくれますように
一歩目を踏み出す前の深呼吸、スポットライトをもっと絞って
悲しさがひたひた満ちてビーカーに溢れるくらい泣けたら良かった
ねえエフィラ、誰にも気づかれないように輪郭さえも消してしまおう