0106 - 2019年振り返り
あけましておめでとうございます。
……と言ってももう6日ですね。あまり実感がないまま年が明け、2020年になってしまいました。
年末年始の出勤を張り倒して冬休みに突入したので、恒例となりつつある、1年間の振り返り記事を書こうと思います。
ちなみにこの文章は、ななさんの主催されている創作TALKという企画に参加させていただいています。
https://twitter.com/create_talk/status/1213610615840788486?s=21
創作TALKは、年末年始の期間内、創作について語った記事を書き、指定のタグをつけてツイートすると主催さんにまとめていただけるという企画です。つまり一所で創作の記事が沢山読める、書く側としても読む側としても楽しいものです。
創作をする人の思考、レポートを読むのが好きな身としてはひたすらに嬉しい企画ですね。とりまとめが本当に大変かと思いますが、ななさん、今年もありがとうございます。
さて、もしかしたらタグからアクセスしてくださった方がいらっしゃるかもしれないので、念のため自己紹介しておきますね。
来世はクラゲになりたい/日常呟き多め、短歌(@lakes_beneath)と創作(文章)。#アンソロ光(@ant_hikari)主宰。
綿津見と申します。
名前はわだつみと読みますが、正直濁点がついてもつかなくてもどちらでもよいです。読みやすい方で読んでいただけたら。
たまに思い出したように短歌を詠み、ごくごく稀に小説を書き、年に2-3回、東京コミティアにサークル参加してはイベント楽しい!と騒いでいます。
現在、2年に1回のペースでアンソロジー企画の主催をしています。
今年分も含め、これまでにアンソロジー水、アンソロジー空、アンソロジー光を発行しました。
参加人数が多めの企画なので、最近、私本人よりも企画を知っていただいているということがあり、大変光栄に思っております。
(ちなみに2年に1回というのは別に決まりではないので、次回は未定です)
……と、ひとまず自己紹介をしてみましたが。以下の文章は普段の日記と同じように、ごく個人的なことを書くつもりです。
自分自身の整理として、後で見返すためにという側面が非常に大きいのでご容赦を。
2019年のイベントと作ったもの
2019年の短歌
2020年の話
①2019年のイベントと作ったもの
まずはこの話から。
本
○短歌集「花に嵐」
○「アンソロジー光 photon / light」
小説
○掌編「第4番 ペトリコール」(コトバ小曲集寄稿)
○短編「夜陰に鮮明」(アンソロジー光収録)
○短編「春待つばかりのありふれた夜」(文系理系アンソロ 雪がとけたらなにになる?寄稿)
雑貨
○短歌コースター
○アンソロジー光 フライヤー(クリアしおり+台紙)
○アンソロジー光 缶バッジ
ちなみに2018年の成果は短歌集1冊と、イベントで配布したおみくじでした。小説はろくに書いておりませんでしたので、それと比較すれば2019年はわりと色々作ったのではないかと思います。
あらためて、2019年の制作物を時系列で振り返ってみると。
まず2月コミティア。売り子で友人の折田奈知ちゃん。隣接配置で青嶺トウコさんと東堂燦さんとご一緒させていただきました。
新刊がなかったので短歌コースターを作成。
デザインにほとんど時間をかけず、文字を置いただけという単純なものですが、六角形という形のおかげでなかなか可愛くなったかと思います。
なぜコースターなのかは私にも分かりません。(六角形がとても魅力的に見えた)
5月ふくめ、春は毎年イベントには参加できないのでおやすみ。
春は何をしていたのかあまり記憶がありません…。
夏、8月の東京コミティアに参加。
再び青嶺トウコさん、東堂燦さんのサークルと隣接配置。アフターもご一緒させていただきました。
新刊として短歌集「花に嵐」を発行。
2018年夏に発行した「どこにもない夏を探している」とシリーズにすることを意識して、同じページ数や組版、イラスト表紙で作成しました。
表紙はイラストレーターのしまざきジョゼ(@joze_phine_)さまに依頼。
https://twitter.com/joze_phine_/status/1209050804272820224?s=21
イラストがRTで回ってきて一目惚れ。即座にフォローさせていただいて、通販でイラスト集を買ってコミティアで最新作を買いに伺って……と、熱烈に好きになった作家さんです。
作品を眺めるだけで飽きたらず、この方の作品が表紙になったらしあわせでないか?と妄想を始め、メールで突撃してしまいました。
しまざきさんに表紙をお願いできなかったら「花に嵐」は発行されなかったと思います。
しまざきさん、私の短歌を読んでくださって、本当に素敵に仕上げてくださいました。私が言うのもなんですが、短歌の作風とあった雰囲気の表紙だと思います。
自信をもって「ジャケ買いしてください!」と言えますし、実際、しまざきさんのサークルスペースで見てくださった方が、本を買いに来てくれたという嬉しい思い出もあります。
また、8月コミティアでは企画「アンソロジー光」のフライヤー(宣伝チラシ)も配布しました。
チラシ…と言うか、ポストカードですが。
メインは正方形のクリアしおり。それをキラキラしたポストカードの台紙に挟みました。
これはかなり想像通りに出来上がったので満足しています。
発想としては「透明なクリアシートにロゴを載せて、それを冊子本体のしおりにしたい」「それだけだと情報量が少なすぎるから台紙に載せよう」というところ。
サンプルを取り寄せて厚みを確認したり手近な紙を切ってみたりしました。
最終的に、台紙にきちんと挟まってくれたのでよかったです。
台紙のキラキラは実際に手に取っていただいた方が伝わりやすいのですが、コミティア当日に「かわいい」と言っていただけることが多くて嬉しかったです。
200枚作り、企画参加者さんにお配りいただいたりして、現状完配しております。
「もうちょっと作っても良かったかな」と思えるのはしみじみありがたいことですね。
なんと8月、これで終わりません。
参加させていただいた「コトバ小曲集」というアンソロジーも初頒布されました。
青嶺トウコさん企画、CDジャケットサイズの掌編集です。
コンセプトから全体の仕上がりまでひとつの世界観を感じさせる、本当に素敵な作品集です。
https://twitter.com/kotobamusic/status/1166701507414118400?s=21
想像力をかき立てるデザイン、見開き2枚で読む掌編の心地よさ。
「行進曲」「夢想曲」など、楽曲和名をモチーフにした作品集で、私がいただいたお題は「奏鳴曲(ソナタ)」でした。
このソナタというお題、考えるのがとても楽しかったのですが、同時に難しいお題でした。
企画には自ら参加したい!と表明して参加させていただいたのですが、恥ずかしながら音楽の知識があまりにもなく、お題を知った時には、ソナタって何だ…? 冬のソナ……しか知らな……(それも未視聴)という混乱が頭を占めました。笑
幸いにして、主催のトウコさんが「お題の言葉から受けた印象で書いてもOK」という旨のことや、コトバそのものが音楽になるという企画の趣旨を説明してくださっていたので、安心して企画に取り組むことができました。
結果として、「第4番 ペトリコール」という題で、一人称の話を書きました。
ペトリコール(英: Petrichor)とは、雨が降った時のアスファルトの匂いを指す言葉です。
画像は本文の冒頭。
全体を読んでくださった方がどう受け取られるかは分からないのですが…今メモに残っているのは、
・ソナタ形式(という型のようなもの)を意識
・歌のない曲。ピアノのみ、あるいはピアノと1つの楽器 → 作中に台詞を入れない
・ソナタ=そなた=其方=「貴方」に向けた物語
・タイトルは、日本語(主人公に馴染みのある言語)で表現できない言葉にしたかった
こんなところです。
こうあまさんと楽器博物館に行ってソナタと名のつくものを片っ端から聞いてみたり、youtubeやブログでソナタ形式の説明を見てノートに書き写してみたり。
理解できたかはともかくとして、とても新鮮な時間でした。
あとは宮澤賢治の詩「奏鳴的説明」やヨルシカの曲にも影響を受けています。
私の書き方というか、物語の作り方はかなり連想ゲーム、言葉遊びから始まるところがあり、その点でこの話を考えるのはとても楽しかったです。
他のかたの作品も素敵で趣あるものが多く、本当に参加させていただけてよかったなと思う御本です。
ちなみに通販をやられているということですので、気になった方はぜひ購入してみてくださいね。
最後に11月。
東京コミティアにて「アンソロジー光」を発行しました。
「光」をテーマにした、小説とイラストの作品集です。
参加者さんは公募(抽選)で決めました。
3月に参加者さん募集を行い、毎月、月はじめにメルマガを送り、7月に作品締切。11月下旬に発行。
長いような短かったような。
無事に出来上がってよかったという思いと、素晴らしい作品が集まってよかったという思いがあります。
参加人数が私を含めて64人。
大所帯な方かと思いますが、もともとの相互フォロワーさんも完全に初対面の方も、皆さんお優しく協力的で、楽しく作ることができました。
途中、他ならぬ自分が設定した作業量の多さに辟易したり、作業になかなか取りかかれず参加者さんをお待たせしてしまうこともありましたが……。
参加者さんも、以前の企画で知り合った方も、あたたかく見守ってくださって、恵まれているなあと思うばかりです。
企画について親と話していたところ、参加人数に対して「2クラス分も人数いるの」と言われたのですが、本当に、学級崩壊もインフルエンザ(???)による学級閉鎖になることもなく、無事に卒業式を迎えられたような気持ちです。
企画の内容ややり方については、参加者さんに回答いただいたアンケートの集計も含め、別枠でやりたいと思っております。
反省点もたくさんあるので。
さて、出来上がった本は、コミティアで2スペースお借りして頒布させていただきました。
こうあまさんにお手伝いいただいて、売り子さん兼ガチャガチャ係という大役を担っていただきました。
オマケとして作った缶バッジガチャ、カプセルを探したり、筐体に差し込むカードのデザインを作るところから楽しめました。
あの1回限りなのは勿体ないので、また企画をやることがあればまた活用したいなと思っております。
2019年のイベント、頒布物としては大体そんなところです。
あとは、東堂冴さん主催のアンソロジーに参加させていただけることになりました。
文系/理系アンソロ「雪がとけたらなにになる?」という御本です。
文系/理系という括りから、さまざまな人が書いた小説を収録しているアンソロジーで、1月19日に開催される文学フリマ京都で初頒布されます。
発行は2020年と今年ですが、書いたのは2019年の秋なのでご紹介しますね。
https://twitter.com/spring_or_water/status/1213411548980342784?s=21
私は文系編(SPRING)に参加させていただきます。
「春待つばかりのありふれた夜」という題の現代もので、文字通り「ありふれた夜」の話です。
文系の大学4年生3人が、卒業論文提出日を控えて、あまりにも卒論執筆が進まずに愚痴を言ったりうだうだしたりします。
一種のノンフィクションというか、私の実体験にかなり近く、進捗ダメです学生のあの空気感は出せたのではないかなと思います。
舞台は私が現代ものを書くときの登場人物たちと共通なので、別に作中に出てきたりはしませんが、空アンソロの話と同じ大学になっています。
……というわけで文系/理系アンソロ、どうぞよろしくお願いいたします。
私の話に魅力は感じなくとも、他の方の作品がとても素敵なので安心して買ってください。
②2019年の短歌
この1年に何首から詠んだのかは、手元にPCが無いのでちょっと分かりません……。
2018年よりは少ないかな。
(後で確認して記載したいところです)
Twitterで割合に反応をいただけたのは、こちらの歌たち。
5首目、「来世には〜」の歌がかなり気に入っています。私はギヤマンクラゲが良いなと思っています。触手がとても長く、しばしばそれを絡ませているやつ…。
なお、この歌に関しては、その少し後に、否定(?)するような、こんな歌↓も詠んでいるのですが。
「来世にはクラゲになりたいって言ったじゃん、(ほんとは何にもなりたくなくて) 」
これはこれで気に入った歌になりました。
2019年は、夏に短歌集「花に嵐」を作ったので、それに収録するため、意識的に春や「忘れる」こと、「もういない君」についての歌を詠みました。
アネモネの花言葉って知っている?尋ねる君の顔が見えない
吹きすさぶ風に視界を塞がれて春のあわいに君を見紛う
忘れてと言うなら忘れる方法をきちんと用意してから言って
下記の画像は、イラストレーターさん(しまざきさん)に初めてお声がけした時に、メールへ添付したデータの一部です。
今見返すと「風」や「晴れ」はそんなに取り上げられていないのでは…。
「どこにもない夏を探している」もそうでしたが、テーマを用意した上で詠む、ひとつの作品を作るというのは楽しく、難しいことだなと思います。
1首1首を独立させながら、全体として流れをつくること。同じことの繰り返しでも、とっ散らかっている訳でもなく、歌集として意味のあるものにすること。
2020年も引き続き課題ですね。
何はともあれ、2019年も、好き勝手に楽しく詠ませていただきました。
③2020年の話
1年前、noteにて「2019年のやりたいこと」を書いた時には「アンソロ企画やります!テーマは光です!!」と言っておりました。
有言実行できて良かったです。
今年はそこまで大々的にアピールすることもないのですが、秋ごろに短歌集を1冊作りたいかな。
夏と春をテーマにした短歌集を作ったので、同じシリーズにするのであれば今度のテーマは秋か冬なのですが、そうすると、イラストレーターさんに依頼することも考慮して、発行は秋あたりかなと思います。
あとはぼんやりと、中編くらいの小説を何か書きたいのと、思いつけば突発でweb企画をやろうか、くらいの気持ちです。
web企画は、楽しそうなテーマが突然降ってくるようなことがあれば。
先日こうあまさんとごはんを食べていた時(11月コミティアの打ち上げですね)、
「何かたのしいことがしたい」と散々言っていました。
本当に、何かたのしいことがしたいですね(曖昧)。
じゃあ自分にとって、たのしいことって何だろう? それが他人と一緒にやるものであったなら、どうやったらその人も楽しめるものになるだろう?
そういうことを考えていきたいです。
11月末にアンソロ光の初頒布を終えて12月は、一大イベントを終えてしまったのと、仕事のこともあって情緒がやられ気味でした。
そんな時季でも、「たのしいこと」が設定されていればどうにか生きていかれるので……たのしいことをしたいですね(n回目)。
アンソロ光の1人反省会もしつつ、何をしたいのか、考えていく期間にしようと思います。
近年、創作と、Twitterという居場所においての“自己肯定感”を、関わってくださる皆さんに育てていただいているなと、ありがたく思います。
良くも悪くも私にとってのツイッター(及びnote)は素である場、本音を吐き出す場です。良い年をして本音と建前を使い分けられないのかという感じもしますし、
我ながら、言わなきゃ良いのにな、黙って企画作業してれば良いのになと思われる発言もあるとは思うのですが、内言を溜め込んでいると澱む感覚があるのでつい呟いてしまいます。
それに対して、タイムラインが流してくれる、触れないでくれる(おそらくミュートもしてくれている)ことが、とてもありがたいなと感じます。
それでいて時には、宣伝ツイートを沢山RTしていただけたり、短歌にいいねをくださったり。
ありがたいな、嬉しいな、と思うばかりです。
承認欲求というか、自己肯定感というか。
そういうものをここ数年でたしかに育てていただきました。
そう言えばふと思い出したのですが、先日、匿名の方から、批判というか憐みというか、いわゆる“アンチ”的なコメントを受けていました。
(全然見ていなかったのですぐに気づけもしなかったのですが、私のことに詳しくて驚きました)
普段の私であれば、コメントの内容は置いても、そういうコメントがあったという事実自体に傷つくだろうと思います。
けれどたまたまそれを見た瞬間は、自分でも意外なほど、内容には傷つきませんでした。(勿論思うところはありましたが)
コメントの内容が、私自身が全然気にしていないことへの指摘だというのもありましたし、何より大きかったのは、それを見たのがコミティア翌日だったからです。
自分の作るものは、本人が一度は納得しているものなので、自分好みです。
人の目に触れる場所に公開している以上は、それなりに良い部分もありつつ、同時に、ダメな部分や足りない部分もあると思っています。
下手だと思われることや全然興味を持たれないこと、刺さらないことも勿論ある。
それについては、悲しい、悔しいという以前に「現状」として捉えています。
それでも、ツイッターやイベントという場で、好きと言ってくれる人が、イベントで会いに来てくれる人がいます。
こんな私にも、あたたかい目を向けてくださる方がいる。目の前で言葉をくれる人が、お手紙を書いてきてくれる人が実在する。
現実にいる、目の前にあるという力強さ。
イベントに参加する度、あまりにも強い光のシャワーを浴びたような衝撃を受けます。
そうして同時に味わえる、創作楽しいなあ、やりたいなあ、創作を好きな人が沢山いるこのイベントにまた出たいなあと思える、多幸感。
未熟なところも沢山ありますが、たのしいこと、やりたいことをやりたいままにやっていこうと思います。
同じネットの関係性でも、ハンドルネームさえ出さない完全に匿名の人ではなくて、顔を見せてくれる、大切にしてくれる人の方を私も見ていきたいなと。
以前にやしろさん方と話をしていた時にも思ったのですが、いわゆる“自己肯定感”を育まれてきたなと、そんな風に思える2019年でした。
ほんとうはこの場で、生活のことや、企画のオプションテーマ「手帳」に合わせて、アンソロ光ノートのことなんかも書こうと思っていたのですが、あまりにも冗長になり過ぎたのでここで止めておきますね。
ここまでお付き合いありがとうございました。
あなたの2020年も、よいものでありますように。