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2024年 北米で今話題の小説5選

現代アメリカでのノベルトレンド

次のコラムで詳しく扱いますが、近年の北米ではより多様性(BIPOCやLGBTQ+)を意識した作家や、SFやファンタジーといったジャンルと純文学の融合を試みる作品に注目が集まっています。
またこれまでと比べて、SNSでの反響を意識した作品が増えつつある傾向にある様です。
これらを踏まえて、今回は昨今のアメリカで流行った人気を集める小説を5つ紹介します。

1."Yellow Face" by R.F Kuang
ジャンル:社会風刺、メタフィクション

 主人公であり若い"白人"女性であるジェーン・ハワードは行き詰まっていました。作家としての成功を夢見てはいるものの作品は書けず、彼女のキャリアは停滞しています。
 そんな彼女に追い討ちをかけるように、アジア系女性の友人アテナ・リゥを不慮の事故によって亡くしてしまいます。
 ジェーンは彼女が遺した未発表の原稿を発見し、それを完成させようとするのですが…それが彼女の運命を大きく狂わせることになるのでした。

 「Yellow Face」は出版業界を舞台にSNS、文化盗用、人種差別、更には作家のアイデンティティをテーマにした挑発的な作品です。
 特に本作では文化盗用の問題が強調され、出版業界に蔓延る人種的偏見を鋭く批判しています。(そうした点で、2023年の映画「American Fiction」とよく似ていると言えるかもしれません)。
 ですが最も本質的なテーマは作家としての成功と倫理のジレンマという、いつの時代にも普遍的なもの。
 著者であるR.F Kuang は2018年にデビューしたファンタジー作家で、そうした点で本作はかなり異色の作品と言えるかもしれません。

2."Moonbound" by Robin Sloan

ジャンル:SF,ファンタジー

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