The Stellar of Organic
クロム骨格の非知性奴隷。合成サテンの衣を纏いてバラの花弁をまき上げる。
舞い落ちる赤い紙片を受けながら、彼女は僕の肩に頭を乗せ、僕は彼女の肩に手をまわす。
多角スクリーンに映るミルキーウェイ。小波が角からよせては引き、寄せては引く。
波の打ち寄せる度に星々を拭い去り、砕けた飛沫が新たな星となる。
クロム骨格の非知性奴隷が華麗に舞う。カーボン・アクチュエーターの甘美な響き。
人間には不可能な繊細さ。レースを踊らせ空を掴む。
クロム骨格の非知性奴隷。合成サテンの衣を纏いて花吹雪を舞い上げる。
多角スクリーンに映るミルキーウェイ。小波が角からよせては引き、寄せては引く。
打ち寄せる度に星を拭い去り、引くたび後に帯を残す。
「Hey」
吐息と震えの混じった声が耳を撫ぜ、僕はそちらに眼を向ける。
合成サテンのレースを纏った非知性奴隷。花吹雪を空高く巻き上げる。
僕は顔を彼女に向け、囁くように三音、口ずさむ。
非知性奴隷の優雅な舞。カーボン・アクチュエーターの完璧さ。
微睡んだ声が耳を撫ぜる。
多角スクリーンに映るミルキーウェイ。小波が角から押しよせて、寄せては引き、寄せては引く。
打ち寄せる度に星を洗い去り、引くたび砕ける雫が星となる。
微かな後、彼女は「I know」と囁いた。
肉と骨の不器用さで彼女は僕を引き寄せた。
後書き
取り止めなく、短編としての導入にすらなっていないポエムもどきな投稿ではありますが、出来ればご感想いただけると幸いです。