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ボクと洋楽(No.1)ストテンで夏を制する

はじめに

 最近、暑い。またこの季節が来た。何回目だろう、、、。僕は2月に生まれたから、22回目の夏ということになる。
 さすがに22度目の夏を迎えると、今まで聴いてきた音楽が僕のキャパシティを超えてしまい、「僕」という機械がフリーズしてしまう。
 だから、聴き重ねた者たちをちょっとでもいいからアウトプットしたいと思った。

Purple

 洋楽の一枚目として、Stone Temple Pilotsの「Purple」を取り上げることにした。

 1986年にカリフォルニアで結成されたこのバンドは四人組のロックバンドである。日本での略称は多分「ストテン」だと思う。
 ジャンルはポスト・グランジ。NirvanaやSoundgarden、Pearl Jamらといったグランジバンドの後を追ったような感じである。当時、MTVで前作の「Core」がヘビーローテーションされて、人気が爆発した。
 それに続いた「Purple」が全米1位となったことで、実力を高らかに示した。

 このアルバムを初めて聴いたのは高校3年生の頃であった。当時(2020年)に、新作「Perdida」が発表されて、ストテンのことが少し気に入った僕は、このバンドの他作品を聴いた。そこで出会った「Purple」は、美しいものであった。妖艶なボーカルと後ろめたいがメロディアスなサウンド。自分の求めていたグランジというジャンルにピッタリ合わさっていた。

 なんと言っても、ボーカルのスコット・ウェイランドの歌い方が大好きであった。声の伸びは美しく、このバンドの色として間違いなく存在している。
 スコットは当時のロックスターらしく薬物に染まり、バンドと何度も衝突している。残念なことに2015年に自殺してしまった。そんな「危うさ」の様な要素が彼の声には潜んでいる。センシティブでナイーブでちょっと触ったら爆発して粉々になりそうな「危うさ」がこのバンドを覆っている。

 ちなみにだが、スコットが脱退した後、代わりに加入したのはLinkin Parkのチェスター・ベニントンであることは有名だが、言わずもがな彼も「危うさ」を持っている。まさしく適任であると思う。
 一方のスコットは、ガンズのメンバーとスーパーバンドVelvet Revolverを結成した。ここでも、スコット色のボーカルは美しく輝いている。

 「Purple」は12曲、約47分のアルバムである。重たく引きずるようなサウンドであるが、聴き疲れることはない。妖艶な曲たちが、このうだるような夏の日にはもってこいである。この作品は、いかにも暑そうな景色を窓越しに見ながら、少しだけ冷房が効いている空間で聴くべきである。聴きながらボーっとしているとギターサウンドとボーカルが君の脳を溶かし、目の前にスコットが現れてくるはずだ。冷房を感じさせないほど精神が高揚し、その光景が本物であると思わせてくれる。ストテントリップだ。僕もよくする。

 曲順も素晴らしいと思う。お手本と言った感じだ。
 忙しくて全部は聴けないといった人向けに抜粋したミニアルバムを提示しとこう。
Meatplow
Vasoline
Interstate Love Song
Big Empty
Unpluged
 これだけ聴けばストテンを知った気になれる。Interstate Love Songは一番有名な曲だから聴いておこう。

 個人的に、バス待ちや駅の待合でイヤホンをした高校生がストテンを聴いていたらめっちゃかっこいいと思ってしまう。

「すいません。なんの音楽聴いてますか?」
「ストーン・テンプル・パイロッツです…。」

 最高である。Nirvanaとか答えるよりよっぽどかっこいいぞ。

 そんな感じの高校生にはもう絶対に戻れない。タイムスリップできるなら、高校生の夏だな。ストテンを耳にはめて夏と戦いたい。

 それだけ。おわり。

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