青の先の赤の門の


ひたすらに眠れない。
言葉にして良いものなのか分からないが、
眠れそうにもない。
誰に話を聞いてもらう事も躊躇う。
でも、少し限界を迎えているので書いて落ち着きたい。

日曜日、父が倒れた。
夜勤明けのウナは珍しく早めの起床をし娘と遊んでいた。
お手洗いから嘔吐の音がしたので、
急いで見に行くと意識はあるものの絶不調の父が居た。

ウナ、胃腸炎かもしれないから薬買ってきてくれ。
と言われ準備はしたものの、
仕事場で救急対応になるケースに似通っている血色と様子だった。
すぐに血圧と脈拍と酸素数、吐いた時間、服用している薬を記録する。
年寄りになっていくと意固地。
まだ意識がはっきりしているので、
とにかく父としては薬を買ってこい。の一点張り。
行くフリでもしないと宥められないなと感じたので、
家族に娘と父の様子を見てもらいつつ外へ。
車を出すフリだけして大病院に連絡。
初診で自家用車で対応して頂けるかを聞くと了承がでた。
父に電話で連絡し、
薬局きたけど薬剤師休みだった。救急なら受け付けてくれるって言ってたから一緒に行こう。と説得した。
帰宅したが既に痛みのせいで父の容態が悪かったので自家用車ではなく救急搬送に。
連絡していた病院がすぐに受け入れてくれた。

待合室で5時間待つ。
待っている時間こそ長かったし、
どこから入り込んだのか刃物をもった不審者がこっちに向かってきてどっちがどっちのパニックか定かではなく刺される手前の手前で警備員に連れていかれた。
この方はその後警察に連行されてた。
あやうく私も危なかった。

先生に呼ばれる。
軽症だと思うので1週間程で退院できると思いますが、
病気としては点滴が必須の治療法なので入院になります。とのことだった。
病棟に父を見送った際、
心配かけてすまんな。と涙声で言われたので
家族の事もお金の事もなんも心配することはない。
元気になって早く帰ってきてくれない困るべ。と伝えた。
そのまま帰宅し準備だけ整え、用事事へ。
用事事の後そのまま書類を提出しに行った。

月曜日、
着替えなど入院に必要なものを揃え母と病院へ。
主治医より個室に呼ばれた。
母は医療や介護の職についたことがある。
私もその経験を目の当たりにしているので、
これは悪いことを言われるなと直感で分かった。

要約すると、
病気自体の炎症がこれから来る。
にも関わらず父の身体の状態が悪い。
既に麻痺が進んでいる箇所もあるし、
持病だった箇所も弱くなっている。
大量の輸液のリスクや、
年齢も相まって何があるか分からない。
懸命に処置や判断をするけれど、
覚悟しておいてください。
命に関わる可能性の方が高いです。
とのことだった。

火水木と、
麻痺した箇所の処置や手術をして頂いた。

金曜日、
数値が悪く状態は良くなっていない。
輸液を続けている為、
血管や炎症を起こしている箇所から水が漏れてしまう可能性が高くあるので防ぐよう対処している。
何かあればすぐに対応出来るようにして下さい。
と連絡が入った。

土日、連絡がないのが幸いの知らせ。
正直この1週間は眠れていない。
何かあった時、正気を保って家族を連れ出すのはウナしかいない。
プレッシャーや父の事を想うと不安や、
痛いよね。早くよくなって欲しい。代わってあげたい。少しでも痛みが和らぐように祈ってばかりで睡眠を放棄している。
食べれてもいない。
私自身、倒れたら元も子もないと思う状況ではあるけれど食が喉を通らない。
無理矢理流し込んでみたけど、
ストレスからかより吐くので無理するのはもうやめた。
食を放棄している。
日頃から、父に対しては言葉にして
父の娘で幸せもんだよ。とか、
いつもありがとう、助けられてるよと伝えてきた。
父に出来る事は何でもしてきたし、
父もそうだ。全力で娘を愛してくれている。
何があってもお互い後悔はないものの
まだまだ一緒に居れる時間が少なすぎる。

出来ることなら1人で悲しみと不安と祈りに打ちひしがれて誰の声も耳に入れたくない。
でも、家族のことを思うと
育児は当たり前にこなさなければならない。
家事もそうだ、出来る限り母が抱える肉体的な負担だけでも代わってあげたい。

別居している兄弟への連絡、
各親戚への連絡、万一の為の準備や
各書類や保険の手続き。
病院との連携。
勤めている職場への調整、代打の連絡。
父の勤めへの代打。
何よりも父が帰ってきた時にどんな状態のサポートが好ましいのか前向きに考える。
食事は、生活は、今まで通りこなせる部分とそうでない部分がうまれるだろうなと思うと下調べや家の中のサポート品も検討しないといけない。

こんな事を1人でぐるぐる考えていたら、
気付いたら夜があけている。
自分の気持ちに目を背けている。
明らかにキャパを超えている精神力のくせ、
先日不意に折れてしまった左足も尚更痛い。
人を救うために動けて心から良かった。
数日前、お金の入った封筒ごと落としてしまった。
一生懸命探してはいるけど、
どこで落としたかも覚えていなくて検討もつかない。
ポンコツだなと思ってしまう。

今は気にかける余裕もないけれど、
親しい友人が5分でも会いに来てくれたり
メッセージを送ってくれる優しい人達がいて
ふと気が抜けた時に救われている。
泣けてきてしまって何も返せないよなぁと思う。
今、言葉にしたり気を抜くと2度と弱さに向き合えなくなりそうで短い文しか返せていない。
詳しい事や悩み事は口にしないように徹底しているが、
人として感謝している。
本当にありがとうでは足りないよ。
一番辛い時に、私は優しくいたい。
ありがたいと思える心だけは捨てたくない。

明日また父に会いに行く。
まだまだ落ち着かないだろうけど、
もう一度父の手を握りたい。
叶うなら、家族全員でただ笑って1日を終えたい。


追記
心を許している人にしか伝えてこなかった夢がある。
私は人を見送る仕事がしたい。
器を綺麗にして見送る最期の仕事がしたい。
葬儀屋に勤めたい。
いまはまだ、人がもつ綺麗さ儚さあやうさ深みが分かりきってない。理解出来てない。
自分の中に落とし込まないと浅い気持ちで向き合っちゃダメな気がする。
救急対応がある会社に、
障害者支援で未来ある苦労の会社に、
笑顔がうまれる一瞬があればとNPO法人を立ち上げた。
愛に溢れる仕事だろう。
人生のピースは他者への感謝で揃う気がしてならない。
学びのおかげさま。
まだやれる、がんばろう。弱音はもう終わりだ。
父よ、こんなに素敵な娘がいるんだから早く帰ってきてもらわないと困る。
人の為に誰かの為に自分の為に生きたいね。

季節の変わり目、
皆さんもお身体に気をつけてね。
ここまで読んでくれた方がいるならどうもありがとう。
好きな人には言葉にして、態度にして
いつもある当たり前なんて無くなってからじゃなきゃ気付けないよ。
あなた方の毎日がどうか愛しい日々になりますように。

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