「マティス 自由なフォルム」展~色と光の魔法を堪能
明日までの会期の最終日前日に駆け込みで行ってきた。
ちょうど1年前は東京都美術館でポンピドゥーセンター所蔵のマティス展が開催されたばかりだったのでまたマティス?と思ったけど
こちらのマティス展は本来2021年に開催予定だったのがコロナ禍の影響で先送りになってようやく今年開催の運びとなったとのこと。
昨年のマティス展は20世紀美術におけるマティスの位置づけみたいな展示だったけど今回はマティスが切り絵に辿るつく過程をたどる構成になってました。
色彩の魔術師と言われるようになった始まり
絵画だけではなく舞台衣装などを手掛けたりしながら
切り絵という手法で創作を始める。
美しい色使いや絵画と並行していた彫刻などが切り絵という形で昇華された感じ。
切り絵は色のついた紙をパーツごとに切り抜いて壁にピンでとめながら最適なフォルムを構築していたとのこと。
写真OKの切り絵作品をよくよく眺めるとピンの刺さったあとが見える。
花びらと果実を組合せた大型の切り絵作品「花と果実」は集大成かも。
切り絵製作を経てヴァンスのロザリオ礼拝堂の設計と装飾を手掛けることになる。
ロザリオ礼拝堂では建物の装飾だけではなく司祭が身に着ける礼拝服のデザインも全て手掛けたとのことで完全プロデュースだったみたい。
これまでの礼拝服のイメージを覆すような色やデザインでとてもマティスっぽい。
目玉はマティスが晩年手掛けたヴァンスのロザリオ礼拝堂の再現ルーム。
太陽の動きの経過によって窓から差し込む光も変化していく様を表現。
ステンドグラスを通した光が床や壁に反射して美しい模様を描きだしてずっと見てられる。
印象派のあとに登場し、鮮やかな色彩を自在に操り
平面的な構図や東洋やポリネシアの土着的なモチーフに
インスピレーションを受けて同じモチーフを繰り返し使うことで
普遍的な作品となった切り絵製作を経て
ロザリオ礼拝堂のステンドグラスにマティスの画業の結集したという
ストーリーで構成された展示はとてもわかりやすく素敵でした。
ロザリオ礼拝堂行ってみたいなぁ。