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免疫(5)-MHC-
MHC、主要組織適合遺伝子複合体、をヒトではHLAと呼ぶ。
そして、自己と非自己を判別する際に必須である
ここまでは別の記事でまとめた。
参考:梶川瑞穂、笠原正典 非古典的MHCクラスⅠ分子の構造と機能 生化学 2009;81(3):189-199
参考文献では非古典的と書いてあるが、私に必要なのは古典的MHCクラスⅠの情報なので、それに絞っていきたい。
クラスⅠ分子は基本的にすべての有核細胞に発現される膜タンパク質であり、細胞質でプロテアソームによって産生されたペプチド断片を、CD8陽性T細胞に提示する。
クラスⅠ分子は次のような抗原提示能をもった分子(ヒトではHLA-A/B/C)を指している。
構造はα鎖とβ2 microglobulinからなる二量体。α鎖は3個の細胞外ドメインと膜貫通領域および細胞内領域からなる。
クラスⅠ分子は、細胞内にある小胞内におり、提示用のペプチドがくっついていなければ、細胞表面にほとんど出てこない
プロテアソームによって産生されたペプチド断片はTAPを介して小胞体内に入り、クラスⅠ分子に結合する。
その後、細胞表面へ移送される。
参考:日本免疫毒性学会ホームページ ImmunoTox Letter , Immnotoxicology 最前線 免疫毒性とシグナル伝達 金崎佳世子、中村和市 塩野義製薬株式会社 新薬研究所 2002;7(2):12-13
MHC上の非自己ペプチドをT細胞が認識する際には、MHCクラスⅠではCD8がクラスⅠ分子に結合してTCRとMHC複合体の結合を安定化させる。
この際に、T細胞-抗原提示細胞間の補助刺激シグナルが重要。
補助刺激分子のレセプターとしてCD28分子などが存在し、抗原提示細胞上のCD80、CD86をリガンドとして結合する。
これらは蛇足。
さて、MHC拘束性という言葉がある。
どうもCD4やCD8の細胞内領域に会合しているチロシンリン酸化酵素(LCK)が関連しているようだが、T細胞抗原受容体からのシグナル伝達に必須のようだ。
この話はMHCとついていても別にまとめたほうがよいだろう。