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シグナル伝達経路(1)-JAK・STAT passway-
リウマチを含めた様々な分野で関連があるとされているJAK-STAT passwayについて記録する。
参考:天野宏一 臨床リウマチ医のための基礎講座 JAKとリウマチ性疾患 Clin Rheumatol 20:330-332;2014
JAKとは、Janus Kinaseの略で、チロシンキナーゼである。
JAK-STAT passwayと呼ばれるシグナル伝達経路の最も上流であるサイトカイン受容体に会合している。
種類は、JAK1・JAK2・JAK3・TYK2の4つがあるとされている。
基本は2つの受容体分子のそれぞれに1分子ずつ向き合うように会合しているが、gp130の場合は合計3分子が会合している。
その部位にATPが結合することでJAKがリン酸化されると活性化され、STATという転写因子をリン酸化する。
STATはsignal transducer and activation of transcriptionの略である。
日本語では、シグナル伝達兼転写活性化因子、というようだ。
STATは転写因子であるので、リン酸化されたのちに、核内に移行して情報を伝達する。
受容体分子としては、①common γ鎖、②Ⅰ型IFN受容体、③gp130、④Ⅱ型IFN受容体、⑤p40、⑥IL-3受容体/ホルモン受容体、などがしられている。(これはリウマチ関連の場合という可能性があるので注意)
会合するJAKは、①JAK1・JAK3、②JAK1・TYK2、③JAK1・JAK2・TYK2、④JAK1・JAK2、⑤JAK2・TYK2、⑥JAK2・JAK2、となっている。
RAの場合では、①~⑤は炎症に関わっているとされている。
また、⑤は炎症以外にTh17細胞の分化・増殖にも関与しているとされている。