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免疫(13)-Th1細胞-
ヘルパーT細胞について考えていきたい。
まずはTh1細胞だろう。
参考:公益財団法人 腸内細菌学会/(旧)日本ビフィズス菌センター ホームページ 用語集
ナイーブCD4陽性T細胞は二次リンパ組織で活性化されてエフェクター機能を獲得する。
今回はそのうちのTh1細胞について。
Th1細胞は、速やかに血流に入り、感染部位へ移動し、IFN-γやIL-2などのサイトカインを分泌し、マクロファージの活性化や炎症反応を引き起こす。
これによりマクロファージの細胞外環境で感染した病原体を貪食し殺傷する能力、および、プロフェッショナル抗原提示細胞としての機能が強化される。
Th1細胞の分化を促進するのは、IL-12とIFN-γであるが、IL-12は樹状細胞とマクロファージから、IFN-γは主にナチュラルキラー細胞(NK細胞)などから産生される。
これらのサイトカインがCD4陽性T細胞上の受容体に結合すると、STAT1およびSTAT4シグナル伝達経路が活性化し、T-betと呼ばれる転写因子の発現が誘導される。
T-betはIFN-γの遺伝子発現をオンにする。
これにより細胞はTh1細胞へと運命づけられ、大量のIFN-γを発現するようになる。
参考:吉開泰信 免疫・アレルギーの理解のためのT細胞学 日耳鼻 114:539-546 2011
Th1細胞はIFN-γやTNF-α/βを産生して、細胞性免疫に働く。
IFN-γはマクロファージを活性化させ、細胞内寄生性病原体の感染防御に重要な役割を担う
過剰なTh1応答はしばしば組織障害を誘導することとなる。
T-betはIL-12-Rβ2発現やIFN-γ転写を誘導して安定したTh1分化が促進される。