免疫(31)-樹状細胞3-
1回で終わらなかったので、2日続けて樹状細胞です!
今回は樹状細胞の分化経路について。
樹状細胞の表現型は分布域によって異なっていることが知られている。
これらの違いは、樹状細胞の分化経路の違い、または異なる前駆細胞に由来することに起因する可能性が示唆されている。
2つの分化経路が想定されている。
1つはその分化成熟にGM-CSFが必須であることからミエロイド系樹状細胞と総称される。
もう1つはT細胞と共有の前駆細胞を経て、樹状細胞へ分化する系で、GM-CSFに依存しない、リンパ球系樹状細胞といわれる。
ミエロイド系樹状細胞には、ランゲルハンス細胞系樹状細胞や単球系樹状細胞があるとされている。
ランゲルハンス細胞系樹状細胞の代表例としては、もちろんランゲルハンス細胞があり、CD1a陽性、Birbeck granules陽性、Lag-1陽性、E-cadherin陽性である。
単球系樹状細胞の代表例としては、真皮樹状細胞や間質樹状細胞があり、CD1a陽性、Birbeck granules陰性、Lag-1陰性、E-cadherin陰性、CD68陽性である。
リンパ球系樹状細胞の存在はマウスの実験系においては明らかになってきているが、ヒトにおいては明確な証拠は示されていない。
参考:伊藤量基ほか 樹状細胞:その起源、分化、機能、および生体内分布 日本リンパ網内系学会会誌 1999;39(3):163-173