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免疫(28)-単球-

まだ単球が残っていた。

単球って何しているんだろう。

ほんとにしらないや。

総説はないかと探してみたが、なかなかないため、少し古い文献ではあるが、ある程度まとまったものがあったのでそちらを参考にして基礎知識にしてみようと思う。

他の文献を漁っているときに単球について記載があれば、また、記事にしていきたい。

さて、

単球は流血中に存在し、生体における炎症、造血、免疫反応などといった多種多様な業態において、異物の貪食や抗原の提示、種々の酵素や生理活性物質の放出といった重要な役割を演じている。

(意外となんでもやるんだな)

単球が内皮細胞に接着し、そのバリアーを超えて侵入する過程において、単球と内皮の両細胞が活性化され、種々の生理活性物質や凝固・線溶因子が産生され、血管病変の形成に関与することが示されている。

動脈硬化の初期病変の形成過程

単球の血管内皮細胞への接着、内皮下への浸入に始まり、その後の中膜平滑筋細胞の内膜への遊走と増殖によって進展してくるものと考えられている。

単球の接着と浸入

①Rolling

白血球は内皮細胞上で衝突を繰り返しながら速度を落とし、内皮細胞表面のセクレチンファミリーの接着分子P-セクレチン(GMP-140、CD62)やE-セクレチン(ELAM-1)と緩やかに接着する。

②Activation

サイトカインなどの刺激により、白血球表面上のインテグリン接着分子(CD11/18)が活性化される。(活性化しないと接着機能を発揮できないので、流血中の白血球がむやみに内皮細胞に接着したり、血管外へ郵送したりできない)

③Sticking

内皮細胞上の免疫グロブリンスーパーファミリーの接着分子intercellular adhesion molecule-1(ICAM-1)、vascular cell adhesion molecule-1(VCAM-1)と白血球上のインテグリン接着分子により、接着はより強固なものとなる

④Migration

白血球と内皮細胞間でシグナルの伝達が行われ、白血球は内皮下へと侵入していく。また、白血球が内皮下へ侵入していく際には、内皮細胞間隙に発現するplatelet endothelial cell adhesion molecule-1(PECAM-1)の作用が必要とされる。

単球の接着に関与している接着分子は、未刺激の細胞ではLFA-1やICAM-1が関与しており、IL-1で刺激した細胞ではLFA-1やICAM-1だけでなく、VLA-4やVCAM-1も関与している。

しかし、前述の接着因子だけですべてを説明することは難しく、未知の接着因子の存在が指摘されている。

接着後の反応

単球が内皮細胞に接着するとTNFやIL-1の産生が誘導されることが報告されている。

また、単球に特異的な遊走・活性化因子としてMCP-1(monocyte chemoattractant protein-1)が存在する。

これは単球と内皮細胞の接着によって、両細胞が活性化されることがわかっている。

他にもGM-CSFやIL-8、PDGFなどのサイトカインも単球と内皮細胞のインターアクションの結果、産生されていることが観察されている。

これらは、血管平滑筋細胞の遊走や増殖促進、マクロファージの活性化作用を有している。

参考:池田宇一 単球と血管内皮細胞の相互作用-動脈硬化および血栓形成への関与- 血栓止血誌 1998;9(1):38-44

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