免疫(34)-抗原-
これまで、免疫について、思いつくままに勉強してきた。
免疫の勉強には抗原の種類とそこからの免疫反応の流れを横断的に勉強していくことが必要だ。
そこで、まずは抗原の分類を列挙していきたい。
抗原とは、動物に抗体と感作リンパ球を作らせるきっかけを与え(免疫原性)、また、作られた抗体や感作リンパ球と特異的に反応する(反応原性)物質である。
①完全抗原
完全抗原は免疫原性(抗体誘導)と反応原性(産生された抗体に結合)の両方の性質を備えている。
・胸腺依存性抗原(T細胞依存性抗原)
B細胞の抗体産生過程にT細胞の助けを必要とする抗原で、T細胞や抗原提示細胞と結合する部分を持つ
・胸腺非依存性抗原(T細胞非依存性抗原)
B細胞の抗体産生過程にT細胞の助けを必要としない抗原で、多糖類など繰り返し構造を持つもので直接B細胞上の膜結合性の免疫グロブリンと結合。
繰り返し構造を持つものの例:デキストラン、肺炎双球菌多糖体、リポ多糖体(LPS)
②不完全抗原
不完全抗原は免疫原性(抗体誘導)を欠いているが、反応原性(産生された抗体に結合)を有する抗原
例として、ハプテンがある。
ハプテンとは、通常低分子量の物質で、単独では抗体を産生させる能力(抗原性)はないが、タンパク質などの高分子と結合した場合に抗原性を示す物質を言う。
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免疫系を取り囲む抗原群
・異種抗原:細菌、ウイルス、真菌、原虫
・同種抗原:NHC、HAL抗原、血液型抗原など同種動物間で遺伝的に異なる形質が発現して生じた抗原。輸血、妊娠、移植などに関係
・異好抗原:近縁関係にない生物間でも共通して存在する抗原。例、フォルスマン抗原
・自己抗原:自己の生体構成成分由来で自己に対して抗原性を発揮する抗原
・種特異抗原:ある種の動物、細胞に存在するが、他種の物にはない抗原
・臓器特異性抗原:種に関係なく臓器だけに存在する共通抗原
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