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免疫(24)-オプソニン化-

免疫の本を久しぶりに買ってしまった。

いろいろ調べていくうちに系統立てて書いてあるものを読みたくなってしまったのだ。

そしてオプソニン化という言葉があったのを思い出した。

補体の勉強をした回で、C3bという物質ができたのを再確認。

C3bは、C3 convertase(C4b2a)によって生じるものである

C3 convertaseはC1r/C1sがC4やC2を活性化して形成する。

このC3bが今回の主役となる

オプソニン化はC3b受容体を介した貪食の促進のことである。

さて、

血中では常にC3bが生成されている。

生成の手順は、C3の自然な加水分解によって始まり、生成物はC3(H2O)である。

C3(H2O)とB因子(factor B)が結合し、B因子がD因子によってBaとBbに分解される。

C3(H2O)Bb複合体はC3変換酵素として、C3をC3aとC3bに分解する。

C3bは細胞表面に結合しない限り、すぐに不活化される。

ここでは、C3bが細胞表面に結合できたとする。

自己の細胞であった場合には、様々な因子(H因子やCR1、MCP)に結合し、I因子によって不活性型のiC3bへと変換される。

病原体の細胞の場合は、複合体が形成されていく。

B因子が細胞膜表面のC3bと結合し、D因子によってBbに分解される。

C3bBb複合体の形成

C3bBb複合体はP因子によってさらに安定化される。

C3bBb複合体はC3b変換酵素としてC3を分解し、無数のC3bが細胞表面に沈着することになる

この状態をオプソニン化という。

ちなみに、最初の方で記載したC4b2aもC3変換酵素であり、C3を分解し、C3bが発生する。

そのC3bとの複合体が、C4b2a3b複合体である。

このとき分解されるC3は1000分子近いC3が分解されるため、細胞表面にC3bの沈着が引き起こされることになる。

ここまでをまとめると、

補体の構成成分であるC3の分解産物であるC3bが病原体細胞表面にばらまかれる(沈着する)ことをオプソニン化と呼ぶようだ。

次に

沈着についてだが、これはC3b分子と病原体上の分子の水酸基やアミノ基とエステルやアミドの共有結合を作ることで起こっている。

さらに

オプソニンとして働くのはC3bやC4bばかりではなく、抗原抗体複合体やレクチンは補体の活性化によらずオプソニンとしても働く。

抗原抗体複合体をオプソニンとして認識するのはIgG抗体受容体であるFc受容体(FcγRs)である。これは好中球やマクロファージに発現しており、抗体でオプソニン化された細菌を認識して、これを貪食する。

話を戻すが、

C4bもオプソニンとして働くようだ。C3bとC4bの分子内のチオエステル結合が限定分解に伴って分子表面に露出することで乖離して、水酸基などと結合できることになる。

C3bやC4bは、好中球などに発現する補体受容体CR1に認識され貪食される。

ただし、貪食にはほかの免疫伝達物質からの活性化シグナルが必要なようだ。

参考:黒川健児 ヒト血清による黄色ブドウ球菌の認識と貪食の誘導機構 化学と生物 2015;53(5):319-325


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