デタラメなコード進行検索サイトにご注意を!

2018年4月26日追記:
楽譜.meはアクセスできなくなっていました。
そして、見た目がほぼ同じ、「でたらめ」なコード進行紹介サイト
http://ifret.xyz/
が登場していますね。 いたちごっこ。

楽曲のコード進行をWEB検索すると幾つかの情報サイトがヒットする。
海外だと Ultimate-Guitar.Com とか e-chords.com とか。
国内だと 楽器.me とか J-Total Music とか ChordWiki とか U-フレット とか。

いずれもコード進行だけでなく、歌詞も表示されるしギターコードの押さえ方の図や転調した時の表記変換とか自動スクロール等、それぞれサイト独自の工夫を凝らしている。

そんな中、ここ最近、楽譜.me というサイトが検索上位に表示されるようになってきた。

最初は先に書いた「楽器.me」から派生したサイトかと思ったのだが、表示されるコード進行がどれもこれもデタラメなのだ。コード進行はもちろん、曲の尺(進行・構成)もめちゃくちゃだ。
(お暇だったら 楽譜.me で Beatles の Let It Be を検索してみてください。 謎のイントロに続いて、歌の部分は Cm から始まりますから。まさかの短調。ポールに謝れ。)

ページの一番下に、すごく小さな文字で「当サイトはディープラーニングによる楽曲分析を行うための実験サイトです。楽譜情報の精度は保証できません。」とある。
最近よく目にするAIトレンドっぽい、でもよく分からない「ディープラーニング」なんて言葉で煙に巻いているつもりなのかもしれないが、本当の目的はバナー広告からのアフィリエイト収入だろう。

それも「楽器.me」との誤認を狙って。

適当に自動生成したデタラメなコード進行を、適当な曲名に当てはめて大量にばら撒いて広告のクリックを狙う。
なんとも姑息な商売だなぁ。真面目に調べている人もいるだろうし、勝手に曲名が使われてしまったアーティストもいい迷惑だ。

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経営母体のがサイト内のどこにも表示されていないのも胡散臭い。
ページソースを調べてみると、使用しているGoogle AdSenseのIDが別のコード検索サイト「chordsketch.com」と同じIDだった。
ちなみに、このサイトはマトモなコード進行と歌詞が掲載されているが、やはり経営母体の事は何もサイトに載っていない。
広告収入の行き先が同じなのだから、この2つのサイトは何らかの関係にあるのかもしれないが、情報が無いので推測の域を出ない。
ああ、モヤモヤする。
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ともあれ、「楽譜.me」は何も使えないサイトなので、検索結果に登場してもクリックするのは時間の無駄だよ、ってお話です。

【蛇足1】
楽器を練習する際に、演奏技術だけでなく「耳」を鍛えるために、聴くだけで音を拾う、いわゆる「耳コピー」をする事の重要さや、その効果は良くわかるし必要な事だと思っています。ですが楽器を手にする人が全て、同じモチベーションで高みを目指している訳では無いと思うので、このようなコード進行検索サイトの必要性も「アリ」だと思っています。便利ですよね。
ただ、それが全て正しいと思っちゃダメよ、って事です。(これ、全てのWEB記事について言える事ですね。)

【蛇足2】
Google検索で「楽譜.me」と入力すると、後に続く予測検索ワードが
「楽譜.me 違う」
「楽譜.me 適当」
「楽譜.me デタラメ」
とか続くので世間はもう気が付いているね。

【蛇足3】
今日、久しぶりに楽譜.meにアクセスしてみたところ、半年前には無かったギターコードの押さえ方を示す図が載っていた。進歩している(大笑)
相変わらずコード進行はめちゃくちゃだけどね。

【蛇足4】
Google検索結果ページに表示されるページタイトルには
「819,500曲掲載!国内最大のギターコード譜検索サイト | コード譜の楽譜.me」
と表示されていますが、楽譜.meには歌詞は載っていません。
だからなのか、サイト内にはJASRAC等の著作権管理団体の許諾リンクはありません。
「コード進行」は著作権管理の対象では無いからです。
ちなみに、「楽器.me」のページタイトルは下記のとおり。
「38,408曲 無料国内最大級の歌詞/コード検索サイト|楽器.me」
「楽器.me」さん、こんな所までほんのりパクられてますよー!

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