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珈琲館おもいで [短編小説]

【あらすじ】
会社勤めの主人公は、同じことの繰り返しの日々にうんざりし始めていた。休日は休日で、いざ休みを迎えると能動的に楽しむこともできないまま、ただ時間が過ぎていく。そんなルーティンに嫌気がさした主人公が外に出て歩いていると、不思議な珈琲店を見つけて…
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今回は、7500字弱の短編小説です。前回アップロードしたもの(狐の葡萄)より長めですが、読んでいただけると嬉しいです。

unagi

可もなく不可もない。平凡な毎日だ。

けたたましく鳴るアラームに舌打ちしながら目を覚ます。ぼんやりとした頭のまま洗顔と歯磨きをして、簡単に朝食を済ます。身支度をしたら、ひとつ溜息ためいきいて、家を出る。
これでもかと人が詰まった鉄の箱で職場と家を往復したら、遅めの夕食を済ませる。そのままベッドにダイブしたいのをこらえて、シャワーを浴びる。そうしたら今度は目がえて、スマホをいじる。しばらくして時計を見て、溶かした時間に気付いて溜息ためいきき、スマホを伏せて電気を消す。

満足していると言えば嘘になる。だからと言って、これといって不満があるわけではない。
きっと、上を見ても下を見てもキリがない。

「明日は休日か…」
そうつぶやいて、また溜息ためいきく。

「休日」という響きに輝きを感じなくなったのはいつからだろうか。
…もちろん、仕事に行くのは億劫おっくうだし、出来れば行きたくないとは常々思っている。だが、いざ休みが来ると、仕事中には「やりたい」と思っていた事が、それに対する意欲が、ほとんど消え失せてしまう。
そうして無為に過ごし、そのうえ、そんな過ごし方に対して開き直ることができないのが、ほぼルーティンと化していた。

「明日どうしよ…」
そうつぶやいて、無理やり目を閉じた。


次の日の朝、いつも通りのアラームで目を覚ます。設定を変更し忘れていたことを思い出して、舌打ちしながら体を起こす。もう寝ようにも眠れない。

ふと、周りを見渡した。散らかり始めた部屋、乱雑な机の上。——キッチンの奥には、ほこりを被ったハンドドリップ用の器具。
そういえば、学生の頃はコーヒーをれるのが好きだった。何となく憧れて始めただけだったから、特段れるのが上手いわけでも、知識があるわけでもなかった。
それでも、コーヒーをれる動作一つ一つが、なんだか特別なことをしているような、ゆったりとした気分にさせてくれたものだった。

コーヒーを自分でれなくなってから随分ずいぶんつ。家にハンドドリップ用の器具があったことすら忘れかけていた。
久しぶりにれるのも悪くないと思いつつ、戸棚をあさってみる。
…出てきたのは1年前に期限の切れた、開封済みのコーヒー粉。古いコーヒー特有の、酸味を感じさせる匂いがする。溜息ためいきいて、ゴミ箱に入れた。

トースト、適当に葉物野菜をちぎったサラダ、インスタントのスープ。もはやお決まりになった朝食を済ませ、重い腰を上げて洗い物をする。
終わったらまた、スマホをいじってしまう。ふと時計を見ると、溶かした時間に気付いて焦りと後悔が込み上げてくる。

「…出よう」
家に居ては、出来上がりかけたルーティンをまた補強するだけだ。休みにしては久しぶりに身支度を整え、家を出る。


…出たは良いものの、計画は皆無だ。お目当ての場所も、馴染みの店も無い。
とりあえず、ぶらぶら歩いてみよう。外に出ただけでも、目的の半分は果たしたというものだ。そう自分に言い聞かせて歩き続ける。

――15分後、早くも家を出たことを後悔し始めていた。
暑い。とにかく暑い。無理もない。まだ一応午前中とはいえ、8月だ。見上げれば、いっそ恨めしいほどの青空。景色だけ切り取れば爽やかなことこの上ない。

ふと、少し先に、背の高い木の柵からはみ出して枝をもたげる木々を見つける。それらが作り出す日陰に引き寄せられ、ついそちらへと足が向く。
木の柵の内側は、広い庭だった。庭の入り口には、錆びかけた金属製の自立看板。つたが巻き付いていて、文字が読みづらくなっている。

「珈琲館…おもいで?」
看板を読むと確かにそう書いてある。なるほどたしかに、庭の奥にこぢんまりとした建物が見える。建物にもつたが巻き付いているが、小さくて可愛らしい店構えも相まって、そこだけ童話の世界のようだ。

庭に足を踏み入れ、洋風の飛び石を辿ってそのまま歩いていく。
古い建物だが、手入れはされているらしい。扉と窓の辺りはつたが避けられ、綺麗に磨き上げられている。店の中に灯りを見つけ、恐る恐るドアを押す。

カランコロンと小気味良いドアチャイムと共に、「いらっしゃいませ」と声がした。
しばらくすると、栗色の髪をおさげにした少女が奥から出てくる。色素の薄い目はくりっと大きく、快活そうな表情が可愛らしい。まだ15歳くらいだろうか?

「お好きな席へどうぞ!」
少女に促され、私は庭の見える窓際の席に向かう。

腰を下ろして店内を見渡す。店の中もまるっきり童話の世界のようだ。
ダマスク柄の壁紙、太い木のはりを生かした天井、丸い天窓。家具もアンティークだろうか?いかにも洋館に置いてありそうなものばかりだ。
そして何より、時計、時計——時計が多い。
柱時計、振り子時計、鳩時計、からくり時計に置き時計…ここは時計屋かと錯覚しそうになる程だ。しかも、どれも指している時間が違う。

物珍しそうに店の中を見ていると、再び少女がやって来た。

「ご来店ありがとうございます!当店は初めてですか?」
私がええ、と答えると、少女はメニューを差し出してくれた。表紙が革製で、中の紙はまるで古びた羊皮紙だった。メニュー本さえも童話の中のような雰囲気を漂わせているのに感心してしまう。

「それでは、気になるメニューがございましたらお声がけください。簡単に説明させていただきます。」
そう言ってまた奥に下がっていく。

メニューを開く。
ブレンド、ブルーマウンテン、キリマンジャロ…お馴染みのラインナップが続く。流石に「珈琲館」とうたっているだけあって、あまり聞かない名前のものも多い。

パラパラとページをる。
コーヒーフロート、紅茶にココア、ミルク、メロンソーダ…フードメニューもある。
トースト、ホットサンド、ナポリタン、プリン、アップルパイにクッキー、アイスクリーム…
意外にもバリエーション豊富なメニューに迷ってしまう。

つと、あるメニューに目が留まる。
「思い出の珈琲コーヒー…?」
どんなコーヒーだろう。「珈琲コーヒー館おもいで」という店名だし、「おもいでブレンド」とかならありそうなものだ。だが、ブレンドは別にあるようだし…何より、何故なぜか他のコーヒーメニューより安い。

「すいません」
「はーい、ただいま伺います」
パタパタと小走りで少女が席に向かって来る。

「この、思い出の珈琲コーヒーっていうのは何ですか?」
「ああ、気になりますよね」
微笑ほほえみながら少女は言う。

「お客様の思い出を珈琲コーヒー豆に込めて、丁寧にハンドドリップいたします。」
少女は慣れた口調で答えた。

「…?」
余計にわからなくなった。思い出を込めるとはどう言うことだろう。

「そういう反応になりますよね。…頼んでいただければわかりますよ」
ふふっと笑いながら言う。

「じゃあその、思い出の珈琲コーヒーを。…それと、ナポリタンもお願いします。」

「かしこまりました!」
少女はパッと明るい笑顔で応える。

「…ただ、思い出の珈琲コーヒーの方は、珈琲コーヒーれてみないとどんな味わいになるのか分からないんです。」

「…というと?」

「文字通り思い出を込めるので、その思い出と、お客様のお気持ち・感じ方が味わいに反映されるんです。」

「…?」

「…例えば私は、小さい頃の楽しい記憶を思い出すと、幸せと一緒に寂しさを感じたりします。幸せな記憶だから飲みやすい味わいの珈琲コーヒーになる…とも限らなくて、かえってほろ苦さを強く感じるお客様もいらっしゃいます。逆もしかりですが。」

「へぇ…」
説明を聞いてもいまいち理解し切れなかった。思い出をコーヒーに込める…そして、それが味に反映されるなんて聞いた事がない。
だが、もとより日々のルーティンにうんざりして外に出て来たのだ。奇妙なメニューだが、こんな日にはうってつけなのではないか?

「面白そうですね、やっぱりそれとナポリタンのままでお願いします。」

「はい、ありがとうございます!」
少女の目がまたパッと輝いた。注文の確認をして、厨房ちゅうぼうの方へ下がっていく。

少女が厨房ちゅうぼうに注文を通すのを聞いて、もう1人店員がいる事に気付く。厨房ちゅうぼうに目をると、さっきの少女にそっくりの女の子だ。
あの少女と違い、髪は後ろで1つの三つ編みにしてある。くりっとした色素の薄い目は2人ともよく似ているが、厨房ちゅうぼうの少女の方が幾分大人っぽく見える。節目がちの目、キュッと引き締まった唇が、思慮深く大人しそうな印象を与える。

卓上のピッチャーから、カットレモンとミント入りのお冷を注ぐ。一口飲んで、ぷはぁ、と息をく。
…ああ、生き返る。
いっそ恨めしいくらいの外の陽気も、室内から眺めればまるで他人事だ。窓枠に絵画のように切り取られた庭を眺め、注文の品を待つ。

店内には、エアコンらしきものが見つからず、あくまでレトロな小さい洋館といった風情だ。なのに、不思議なほどに涼しくて心地よい。
上品な内装に、少し風変わりな雰囲気。およそ自分が普段過ごす場所とは似ても似つかないのに、妙に落ち着いてくつろげる。
注文の品が届く前から、当たりの予感にワクワクしてくる。

しばらくして、おさげの少女が再びやってくる。手にはお盆、その上にはキャニスターと…小さなつぼ
一風変わったつぼだった。磨りガラスのような材質のつぼを、猫が抱える形になっている。猫の目の部分には、硝子がらす玉か宝石か、キラキラ光る玉が埋め込まれている。可愛らしいとも、怪しげとも言える雰囲気だ。

「お待たせいたしました!珈琲コーヒーを用意するにあたって、お客様にも少しお手伝いいただきます。」

そう言って、私の卓に手際よく道具を配置する。
次に、猫が抱えるつぼの蓋を開け、キャニスターからコーヒー豆を一粒入れた。…一粒で足りるのか?

「それでは、つぼふたの部分を押さえながら、込めたい思い出を思い浮かべていただけますか?」

少女に促されるまま、半信半疑でつぼに手を置く。
…困った。名前にかれて頼んだものの、込めたい思い出を考えていなかった。大急ぎで脳内のページをる。

コーヒー繋がりで、自分でコーヒーをれていた大学時代を思い出した。つぼの猫の目が、ぼうっと淡く光り始めたのを見て、安堵あんどする。
が、ふとこの頃の日々ことが頭をよぎってしまった。むわっとする満員電車、上司に理不尽に怒られた時のこと、変わらないルーティンにうんざりし始めてきた自分――いつの間にか頭の中がそちらの内容にすり替わる。

と、猫の目が光を増し、一際強い光を放ったかと思えば、つぼの中でザラララと音がした。

「ありがとうございます!もう離して大丈夫ですよ」
少女がつぼふたを開けると、中には十分過ぎるほどのコーヒー豆が入っていた。たっぷり5、6杯はれられそうだ。
…どういう原理だ?

「あら、なんだか普段より多い。たくさんの事を思い浮かべてくださったんですか?」
微笑ほほえんで少女は問いかける。

「ええ、まあ…思い出と言えるかは微妙びみょうですが。」

「いいんですよ、元々思い出は地続きなものですから。今はそう思わなくても、少してば立派な思い出です。」

「それにしても、この豆はどういう…?」

「不思議ですよね。実を言うと、私達も詳しい原理はわからないんです。」
少女はふっと微笑ほほえんで応える。

「うちの祖父からゆずり受けたもので、わかるのは、思い出を思い浮かべると、それが込められたコーヒー豆が出て来る、ということだけです。」

「へぇ…」
つくづく不思議なお店だ。

「ほぼ自家発電のようなものですし、お客様にもお手伝いいただきますし…手間賃はいただいていますが、他のドリンクより安く提供しているんですよ」

ご用意しますね、と言って少女はまた厨房ちゅうぼうの方へはけて行く。
程なくして、コリコリと豆をく心地よい音と、ナポリタンの具材を炒める小気味良い音が聞こえて来る。良い匂いも漂ってきた。

「お待たせしました!」
声と共に、目の前にコーヒーとナポリタンが運ばれて来る。ナポリタンは大ぶりのベーコンと彩り豊かな具材が合わさって、見るからに美味しそうだ。

まずは、気になっていたコーヒーを一口。一瞬、爽やかな柔らかい酸味を感じる。が、それもつかの間、すぐに苦味が追いかけてきた。コーヒーは好きだが、これは結構苦味が強い。ドリップコーヒーなのに、むしろエスプレッソ寄りに感じる。

そこへ、厨房ちゅうぼうからもう1人の少女がやって来た。
「申し訳ありません、最初に出し忘れてしまいました。よろしければこちらもお使いください」
そう言って、ミルクと砂糖、粉チーズを置いていってくれた。おさげの少女とは対照的な、落ち着いた声音こわねだ。

お礼を言って、まずはそのままもう一度コーヒーを口に運ぶ。
…やっぱり苦い。確かにかなり苦いのだが、飲み進めるほどに軽やかに感じてくる。この苦味も悪くないと思える程だ。

ミルクと砂糖を少し加えてみると、驚くほどに味わいが変化した。コクが生まれて全体的にまろやかになった。最初は飲みづらさを感じた苦味も、ちょうどよく角が取れて心地よい。
こんなに美味しいコーヒーを飲んだのはいつぶりだろうか…初めてかもしれない。思わずほほゆるむ。

ナポリタンにも手を付けてみる。ちょうど良い茹で加減の麺、酸っぱいだけじゃない、コクが感じられるトマトソース。彩り良く炒め上げられた具材は、べちゃべちゃしていなくて食感も楽しい。——絶品だった。

うん…うん!やっぱりこのお店は当たりだ。
ナポリタンは自分でも作ったことがあったが、こうはならない。それに、喫茶店きっさてんでナポリタンを食べるのなんていつぶりだろうか?
そういえば、小さい頃ショッピングモールに連れていってもらって、レストランでナポリタン付きのお子様ランチを食べた事があったっけ…
そんな事を思い出しながら、思わず目尻を下げる。

もう一度コーヒーを口に運ぶ。
不思議な事に、飲むたびに心なしか優しい味わいになっていくように感じられる。苦味は残っているが、それもなんとも心地よい。


家を出た時の鬱々うつうつとした気分はどこに行ったのだろう。大満足で食べ終え、会計を済ませた。

「すごく美味しかったです。お店もすごく素敵で…なんか妙にくつろいじゃいました。」

おさげの少女の顔が、パッと輝く。その奥で、もう1人の少女も嬉しそうにほほを染めて微笑ほほえんでいる。大人びた印象だったが、笑った顔は年相応でとても可愛らしい。

「ありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです。」

ふと、思い付く。
「…あの、さっきのコーヒーの豆は購入出来ますか?」

「出来ますよ!こちらで預かっておくこともできますし…ぜひまた飲んでくださいね。」

どちらも魅力的な提案だ。
「それじゃあ、半分だけ買っていきます。残りはそちらでキープして置いてもらえますか?また飲みに来ます。」

「もちろんです!」
嬉しそうな笑顔で少女は答えた。

「コーヒーミルはお持ちですか?無ければうちでいておきますよ。」

「たしか家にあったような…もうずいぶん使っていないんですが」

「素敵ですね、ぜひまた使ってあげてください!」
少女は目を輝かせる。

「もし使うのが難しい状態でしたら、豆をくだけでも大歓迎ですので、またお店にいらしてくださいね。」
そう言って、小さな可愛らしい袋に入れたコーヒー豆を手渡してくれる。

「ええ、ぜひまたお邪魔させてください。」

「ありがとうございました。またお待ちしてます!」
2人の少女に見送られて、お店を後にした。
昼過ぎ。暑さも盛りだが、不思議なもので、気分が違うだけでいくらか暑さの感じ方も変わるようだ。
帰りに、牛乳とおしゃれな茶色の角砂糖を買って家へ向かった。


家に着いた私はまず、コーヒーをれる器具たちの手入れを始めた。ドリップポット、サーバー、ドリッパーを洗った。久しぶりに出した、あの頃お気に入りだったカップも。
ミルは調べながら恐る恐る分解して掃除した。

特にミルのお手入れは、中々に骨の折れる作業だった。普段の自分ならまずやらないだろう。道具一式がほこりを被っていた事が何よりの証拠だ。
面倒くさい、と言う気持ちも無いではなかった。だが、それ以上にワクワクしていた。

手入れを終え、早速豆をいてみる。
ハンドルを一定の速度で回す動作が、そしてコリコリと手に伝わる振動が、気持ちを落ち着かせてくれる。——ああそうだ、学生の頃はこの感じが好きだったんだ。

いた粉をコーヒーフィルターに入れ、ドリップポットから、細く円を描くようにゆっくりとお湯を落とす。湯気とともに、コーヒーの豊かな香りが立ち上る。

出来上がったコーヒーを、ワクワクしながらお気に入りのカップに注ぎ、早速一口飲んでみる。
やっぱり、かなり苦い。それに、珈琲館で飲んだもののようには美味しくない。

それならば、とミルクと砂糖を加えてみる。
やっぱりお店で飲んだのとは違う。
…だけどこれも悪くない。これが今の自分のコーヒーだ。

ふぅ、と息をいて、改めて思い返す。
自分でコーヒーをれるのはいつぶりだろう。学生の頃は好きだった事なのに、どうしていつの間にか道具がある事すら忘れかけてしまったのだろう…。

「次はナポリタンも作ってみようかな。」

当分の目標は、美味しいコーヒーをれられるようになる事。それに合う美味しい料理も作れるようになりたい。
あのお店にまた行って、他のメニューを開拓するのもいいな。あのお店なら、きっと他のメニューも美味しい。


私の代わり映えのない毎日の中に、新たな目標が生まれようとしていた。それから、素敵な休日のルーティンも。

今夜はよく眠れそうだ。そう思いながら、カフェオレを飲み干した。


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