引っ越し
新しい街、新しい人に高揚感を持ちながらする作業が引っ越しである。などというのは理想で、戦友とも言える家具たちを選別しなければならないのが現実である。
使い古したコタツ、友人からもらった物、先輩に買ってもらったよくわからない置物。できるなら全てを連れ去っていきたい。
そんな家具たちの顔を見ながら、きみはいる、きみはいらない、きみは必要、きみは捨てる。の繰り返し。
思い出深い物しか残っていないため、家具たちの顔を見ると出会いや付き合っている時の思い出が巡ってくる。
ああ、やっぱりみんな持っていかないだろうか。
今日も荷造りは進まない。