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犬も歩けば介護予防⑥ 姿勢

姿勢は身体の基本作り

介護予防⑥は「歩行を保つ」ための素地になる、犬の姿勢についてです。

正しい姿勢は身体と精神の両方に好影響する 

姿勢が良い状態にあると、正しい位置で骨を動かすことが出来、その状態で運動を行うと、骨の周りにバランスした筋肉をつけられます。
それにより、痛みを伴わない生活動作や歩行を維持出来ると、運動の促進につなげることが出来ます。

また、正しい姿勢では深い呼吸がうながされ、心がどっしりと落ち着きやすくなります。
本来したいこと(水を飲みたいなど)にも気付きやすく、意識を向けられることで自然な状態に近付けます。

シニア犬の特徴

シニア犬は筋肉が硬く縮み、猫背のように姿勢が丸まっていくことが多いため、呼吸が浅くなりがちです。
老化が影響する姿勢は「下がる、縮む、硬い、動きが悪い」ことが特徴になります。

若い犬ではこれらの姿勢がより健常な状態で、柔軟でリラックスし、バランスが良いです。抱っこや捕まえるときにもスルスルと逃げるなどの動きや、身体の感触でも柔らかいことが特徴としてみられます。

ケアや運動で、この若いときの状態に近付けていくことを犬の老化・介護予防とします。

若い犬の身体の動きを見てみる

下の絵は若い犬の散歩中の動きを描いたものです。
このなかにある姿勢では、若々しさをどこに感じられるでしょうか?
答えはこの絵の後に出てくるイラストにあります。

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シニア犬で歩行に問題が出てくると、下記の姿勢や動作が出来ていないことが多いです。愛犬のこれらの姿勢にも注目して見てみましょう。

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姿勢を観察するときに見るところ

★頭の位置が上がり過ぎ、下がり過ぎていないか
★耳と口元の緊張。耳が前や後ろに極端に向いている、口をぎゅっと閉めているなど、力が入り過ぎていないか
★四肢が地面にまっすぐ降りているか、足先の地面の捉え方、しっかりと地を踏んでいるか
★背骨が自然に左右に波打つ動きをしているか、首からしっぽまで一体感のある動きをしているか
★しっぽがよく動き、上がっているか、緊張していないか、無意識になっていないか

上記イラストと合わせて、これらが姿勢チェックのポイントになります。
姿勢チェックでは、運動やケアの効果を見るときの比較対象にも使えるため、現在の愛犬の姿勢を前後左右、上方向から撮影しておくとよいと思います。

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姿勢を崩す原因は老化だけでなく、習慣にもある

姿勢は左右前後のバランスが重要です。
崩れた姿勢で身体がゆがむと、各部位に連鎖して負担がかかっていきます。
姿勢を崩す要因には、ずっと続けてきた動き、片側だけの動作、身体の使いやすさに偏った習慣も影響してきます。

➀首輪とハーネス
首輪とハーネスをそれぞれ使用しているとき特有の動き方のクセがつく。
②コマンド
お手が得意で、片側ばかりを使うなどすると左右差が生まれる。
③しつけ
行動するときに、いつも飼主の右側につくと決まっている場合には、飼主に意識を向けるときに犬が常に左側を見上げる動作になる。
④個体差
愛犬を呼んだときに同じ方向から振り向く、身体を回すなど、その個体の動きやすい側を多く使う。
⑤利き足
左右の足には軸足と蹴り足とがあり、役割が決まっている。
>利き足の見分け方
寝るときに右側が上であることが多い場合には、右足が軸足で、左足が蹴り足。または排泄時に足を上げる場合、上げる回数の多い方が蹴り足、地面に着いている方が軸足。 

長年の積み重ねにより、使う回数が多い方向、クセになっている片側に身体が傾きやすくなっていきます。
首輪とハーネスは常にどちらかではなく、両方を使い分けることでクセ付けになる動作を減らします。コマンドではお手とおかわりの両方をさせる、しつけについても、左右差を意識して行うことで使う頻度の差をなくすなどします。

老化・介護予防のために

ここでご紹介した犬の姿勢は、愛犬の身体機能チェックと、ケアと運動の効果を比較して見たいときに役立つポイントです。

「犬も歩けば介護予防⑦と⑧」では姿勢、筋力、歩行、身体バランスのための、「若いうちから取り入れておくとよい、シニア犬のアンチエイジング運動」をご紹介します。

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