雲南の子

出版社勤務を経て国語講師。国公立の中高一貫校、私立高校、通信制高校などで古文と漢文、現代文を教えています。好きな作品は漱石や鴎外などの近代文学、源氏や枕草子等の平安文学。

雲南の子

出版社勤務を経て国語講師。国公立の中高一貫校、私立高校、通信制高校などで古文と漢文、現代文を教えています。好きな作品は漱石や鴎外などの近代文学、源氏や枕草子等の平安文学。

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フラッシュダンスの時代

バブルの象徴だったかもしれない あの時間が永久に続くように思ったことを思い出した。アマゾンプライムで映画「フラッシュダンス」を観たからである。 主人公の少女は、プロのダンサーを夢見ながら、食べるために溶接業というガテンの仕事をしている。今ならいかにも「人生詰みそうな」設定だ。しかし、80年代前半は、本当に、願えば叶えられる夢に見えたのだ。 まず、ピッツバーグという舞台になる街。移民や労働者が多く流れ、安く早く旨い店があふれ、肉大労働で十分食べていけた街。「た」と過去形にしな

    • 教員さえウチの子は私立行かせるという公教育の現実

      インクルーシブ教育の現実 新学期が始まってひと月が過ぎた。生徒名簿もでき、保護者含む生育環境のリストなどもでき、それに応対する先生方の声も聞こえてくる。だいたい見えてきたところでまた思ったのは、「また少し多くなっている……」ということだ。 生徒の数ではない。自治体によるかもしれないが、私の教えている中学校では、3学年で300人強というところで、まあ、平均的な数だ。多くなっているのは、「配慮しなければならない生徒の数」である。 ひとクラスに1割以上 ほんの5,6年前までは