短歌12
清潔な朝を迎えるそのために葬り去るべく命、私(わたくし)
生活がわからないので家事ばかりしている 汚すために洗う皿
君のつく信じた方が得な嘘 煙と鬱は春の季語らしい
白骨化死体(前世の僕である)河川敷にてやっと見つかる
「趣味・特技に呪いと書いてありますが」「かけるかけられる、どっちもいけます」
溶岩流にも似た怒りを丁寧に濾過した液だ味わって飲め
息絶えて今世に見た四季はみな彼女の夢であったことを知る
私たちだけだよ薬と思い込み毒を交換し合うまぬけは
心より詫びたく思えど手中にはただひとくれの泥があるきり
恋人の言葉は足らず空欄にいつも「いのち」と書いてはみるが