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mhr
2021年12月11日 01:33
八時五十分のアラームが鳴る三分前に玄関の鍵の開く音がして、そのままガチャガチャガチャバタンガチャンドサッズリズリズリ…って、屍の這う音をぼんやり聞いているうちに目が覚める。すこぶる不愉快な気持ちで枕元をさぐり携帯を手に取ると同時に、大音量のアラームが鳴り出して私の苛立ちはさらに加速。体がカッと熱くなって血圧の上がる感じがする。起き上がってみると一瞬視界が暗くなって、ああ目眩がしているのだと気づく。
2020年11月20日 16:39
私に初めて彼氏ができたのは十九歳の冬のことだった。相手は一つ年下の高専生で、当時のバイト先の先輩が大学生になっても彼氏のできない私の身の上を案じて紹介してくれたのである。関くんという男の子だった。事前に見せてもらった写真の限りではいかにも「純朴そうな少年」といったような印象で、初めは(年下かぁ)なんて考えてしまってどうにも気乗りがせず、半ば時間潰しみたいな心持ちで連絡を取り合うようになった。