サフランライスとポールマッカートニー
初めて本格的なインドカレーを食べたのは高校1年生のときだった。
地元の隣の市(四日市市)に松坂屋ができ、その中にインド料理屋が入っているということを知って友達と2人で食べに行ってみようということになったんだと思う。
新しいデパートの中に出来たインド料理屋は高校生が入りにくい少し高級な雰囲気で、カレーを食べるという実にキャッチーな行為でさえちょっと背筋が伸びるような気分だった。その頃ぼくの地元でカレーといえば、たまにちょっと凝ったカレー屋さんはあったものの、ほとんどが何の変哲もない小麦粉の入ったいわゆる普通のカレーのことだった。
サラサラしたインドカレーには若干の違和感があったけど、意外にすんなり食べれたように記憶している。メニューを見てご飯ではなくナンというものでカレーを食べるということを知り、最初はよくわからなかったけど実際にナンをカレーにつけて食べてみると、こちらも特に問題なく美味しく食べられた。
ただ、食べ盛りの高校生には少し物足りなかった。
高校生がお小遣いでお腹いっぱい食べるにはデパートの飲食店は値段が高く
、それでもまだもう少し食べたいと思っていたぼくらはメニューの中から安そうなものを探してみた。
すると、サフランライスという結構値段が安い黄色いご飯が目に入った。これはきっと近所の中華屋でいうところのミニチャーハン的なもの、つまりミニドライカレーに違いないと踏んだぼくたちはサフランライスを1つだけ注文した。
ここから先は
1,008字
¥ 100
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?