二齢~四齢幼虫を育てる(2)
脱皮をするたびに「眠」に入る。
最初は短時間の眠だが、だんだん眠の時間が長くなる。
眠に入る前に糸を吐いて自分の体を桑の葉などに固定するのだが、この糸を切らずに貼りついたままの状態にしてやると脱皮がしやすい。
皮の部分が固定されてるから脱ぎやすいんだよね。
でも掃除の都合なんかがあって糸からはずしてしまうと、とても脱ぎづらくなって、自力で脱げないヤツが出てきちゃったりする。
そういう時は、本当は触らない方がいいんだけど、放置すると死ぬのでどうせ死ぬなら脱がしてやろうということで脱がせている。
たまにケツの方に皮が被ったままの状態になっちゃっているヤツが発生することもあって、あれもそのうちケツが腐って死ぬだろうなと思うので、しばらく見ていて自力で脱ぐ気配がなかったら取ってやっている。
で、皮を脱がせる時とか、桑の葉の枝みたいなので体が傷ついた時とかに出血することがある。
カイコの鮮血でケースが真っ赤に・・・ってことはない。
透明なのだ。
だから、カイコが濡れているみたいな感じになる。
大量出血だと死ぬだろうけど、ちょっとぐらいだと復帰する。
でも怪我でなのか病気でなのか不明だし、傷がある状態だと他のヤツに踏まれたりしてもよくないので別のケースに隔離しておいて、完治したらケースに戻す。
四齢ぐらいからだんだん結構な量を食べるようになる。
繭が白い品種なら別に人工飼料をずっと与えていてかまわないけれども、濃い色の繭の品種はボチボチ桑の葉に切り替えた方がしっかり色が出ると思う。
さすがに一齢だの二齢だのは小さすぎてよくわからないけれども、だんだん大きくなると見た目で「コイツは脱皮が近いな」っていうのがわかるようになってくる。
判断材料は
・皮の張り
・顔の小ささ
脱皮が近くなると当然皮が張ってきてパツンパツンな感じになってくる。
体がどんどんデカくなるのだが、顔の部分は大きくならないので、脱皮直前のものは体の大きさの割に顔が小さい感じになる。
これは眠に入っているカイコ。
わかりづらいとは思うが顔が小さい。
脱皮したてのカイコ。
カイコの後ろにあるのが脱いだ皮。
カニなんかを想像していただくとお分かりのとおり、脱皮してすぐは皮が薄くて弱い。
普段からむやみに触ってはいけないのだが、脱皮したては更にデリケートなのでむやみに触らないように。
でもカイコはあんまり友達思いではないので、そのデリケートなヤツの上を平気で横断していっちゃったりするのだけれども。
脱皮してしばらくじっとしているが、時間が経つと動き回ってエサを食べ始める。