営繭(少ない数の時)
営繭(えいけん)の段階に入る。
口から糸を吐いて繭を作るということで。
カイコの数が少なければ画用紙などで「まぶし」というものを作って入れてやればいいんだけど、数百匹みたいな単位になると、そんなものを作っていたら間に合わない。
最初は数百匹のために作っていたけれども、大人しく入ってくれないし、収拾がつかなかったので数が多い時は全く違うやり方にすることにした。
最初に数が少ない時のやり方ね。
例のA4が入る百円ショップのケースの中に「まぶし」を用意する。
4cmほどの幅に細長く切った画用紙に切り込みを入れて組み合わせて、3cm程度の四角ができる感じに。
これを尿対策(湿気対策?)として、中に新聞紙などを敷いた上に置く。
新聞紙をケースの幅に合わせて折ったものを蛇腹にしていく。
ケースの底に置いて、その上にまぶしを置く。
ここに糸を吐いているカイコをどんどん入れて行くと、ちゃんと繭を作って・・・くれなかった。
何度「ここで繭を作ってください!」とお願いしてもどこかへ行こうとしやがる。
最終的にはフタで上から塞いで閉じ込めて無理やり作らせた。
経験的に白い繭を作るカイコはなかなか言うことを聞いてくれなくて、黄色い繭のヤツの方が素直に繭を作るって感じだったんだけど、今回のヤツは全然言うことを聞いてくれなかった。
一匹や二匹だったらまぶしなんか作らなくてもトイレットペーパーの芯の中に入れておくといい。
当然出て行こうとするので、ラップでふさいで空気穴を開けておく。
通常は一個の繭の中に一匹のカイコなのだけれども、時々二匹で一個の繭に入りたがるヤツがいる。
これは必ずオスとメスの組み合わせだっていう話だけれども、検証していないので本当かどうかは不明。
「別にケチケチしないで二人で一個の繭に入れてあげればいいじゃな~い♥」とお思いかもしれませんが、結構な割合で死んでしまうので、発見次第強制的に別れさせている。
一度だけ三匹で一個の繭に入っていたことがある。
三匹のうち一匹は死んでいたので、オスとメスだったのか全部オスだったのか何だったのか不明。
白い繭を作るカイコだとこんな感じ。
繭を作る時にはまず足場を作る。
で、結構な力でぐいっと糸を引っ張ったりする。
だからまぶしみたいな繭を作る土台になる部分はカイコ的には固さがあるものの方がいいんだろうけれども、世話をする都合上柔らかいヤツの方が扱いやすいっていうね。
足場を組み終わったら水っぽいフンと尿みたいなのをする。
後は不眠不休で繭を作るらしい。