SSTのこと②
このテキストはマガジン「病気のこと・障害のこと」の中に含まれているので、一つ一つ購入せずにマガジンを購入した方が多分安いと思います。
「SSTのこと①」の続きです。
来ている人は完全にひきこもりな人もいれば、作業所に通所している人、障害者枠で働いている人等々。
私はそれまで自分と同じ種類の障害を持った人と接したことがなかったので、とても新鮮というかなんというか。
その後、職業訓練などで頻繁に接するようにはなるのだが。
私は無理に無理を重ねて結果的にそれなりに「普通の人間のふり」ができるようになっていたけど、他人から見たら「普通にできるくせになまけている」みたいにしか見られず「何もできないままの方がよかったんだろうか?」と思っていた。
参加者の多くが以前の私のように「不器用で普通の人のようにはできない」タイプなのだが、そういう状態で定型発達者に混ざって働くと「なにをモタモタしてんだ!」「もっとさっさとやれよ!」「こんなことぐらいなんでできないんだよ?」と年中なじられているようで。
そういう話を聞くのはとてもつらい。
その人だって私と同様に子供の頃からずっと周囲に何とか合わせようと必死にやってきたんだろう。
結果的にできるようになってしまった私と、いつまで経ってもできるようにならなかった人たち。
どちらにしても救われることはないという現実。
今の「療育」とやらを受けている子供たちは、普通の人間のふりみたいなものを身に付ける方向には指導しないようで、私達のような苦しみとは無縁なんだろうけど、「普通の人間のふりができない大人」になった時に果たして「職業選択の幅」みたいなものが確保できるんだろうか?と思う。
SSTの内容は要するに「いかに普通の人間みたいにふるまうか」ってことなんだよね。
「普通の人間はこういう時にこういう態度を取りますよ」みたいなことをわかりやすく教えてくれる。
それ自体はありがたいことだ。
でも、一方的に私達が「普通の人間」のやり方に合わせてやらなきゃいけないってことに対して、納得がいかないというかやりきれないというか。
発達障害者が定型発達者に合わせるよりも、定型発達者が発達障害者に合わせる方がはるかに楽だと思うんだけどな。
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