人間とヒト、そして化け物
ヒトは人間では無い。人間はヒトである。ヒトは人間の皮を被った化け物である。その皮が死ぬまで剥がれないヒトもいれば、人生のうちのどこかで、剥がれるヒトもいる。剥がれると、世では『犯罪者』『異端児』『問題児』と呼ばれるのである。それが真の姿であるのに、不思議なものである。鏡にすら簡単に写らない真実を、人々は『異常』と呼び、狭い部屋に閉じ込める。己がいつの日かそうなることを恐れて視界から消すのだ。
世の中には、人間という化けの皮を剥がしてしまい、その後一生被り直すことが出来ない