clubasia
2024年7月6日(土)
死んだ残り火で生き永らえてるだけの日々を過ごしていた冬が解けた頃、あなたがたに出会いました。それから進路を決めました。ある存在が欠けたまま、花が実り、色褪せてゆきました。日日草で溢れていたベランダは、一体いつの記憶だっけね。花を植えるのをやめてしまってからしばらく経った。たまに晴れが続いた日、乾いた土で満たされた植木鉢にたくさんの光がこぼれているのを見て、花が咲いていた頃、花を植える人が居た頃の光を思い出す。
アンコール、全員青春してた。走って汗流して学校に行って、他愛もないことで爆笑するか喧嘩して、リュックの紐ぎゅっと握って帰り道で反省した、沢山の人に囲まれて過ぎ去った青春。いや、小学校時代クラスメイトと放課後遊んでいて、誰かが帰らなくちゃーって言い始めた時に一気に押し寄せるあの寂しさにも似ている。防災無線の鐘が鳴り響いてもまだ帰りたくない、まだ遊んでいたいってガキの我儘みたいなステージダイブでみんな幸せそうな顔をしていた。あの時は何者でもなかったし、今も何者でもないかもしれないけど、毎日瞬きするたびに燃え尽きるように輝いてたことは覚えている。あの頃自分の居た街が輝いていたと気づくためには街を出る必要があった。大人になった今だからわかる。
セットリスト中盤。フェスのミニステージでゲリラライブした後、さすがやり方上手いなーとか、チケットソールドできたのはこれのおかげだなとか。ない事言わないで。バンドマンとして、そこにステージがある以上本気でやらなきゃいけないって思っただけだったのに。過小評価も、過大評価もされたくない、とMCが入る。
俺は人気者になりたくてバンドマンになった。Asiaワンマンをやり遂げるって目標がすぐそこにあるのに、急になんでバンドマンやってるかわかんなくなっちゃった。けどお前らがいるから、去年のリリースツアーで解散せずにやってこれた。みんなが俺の人生の全てです。そう言って泣きながら歌う。続く曲で、名指しされたファンがイントロサーフされていく光景に笑って、泣いた。音楽が響き始めたから、私の泣いている声が搔き消えていったよ。
これほどまでに揺さぶられ、私の人生に関係していたバンドに出会ったことなかった。もっと早く出会っていたかったと思う気持ちもあるけれど、今の自分でなければ届くものも届かなかった気がする。だからこれで良かったと思う。明日はそんな彼らの2025年関東初ライブです。