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眠れない時、頭ん中
12時過ぎたのに眠れない。目をつぶって、横になっても寝苦しくて目が覚める。明日朝早いし、絶対今寝なきゃいけない用事なのに。誰か助けて、
というときの脳内。
まず羊を数えてみる。
狼みたいな黒い化け物に喰べられる。向こう岸に行ったら、きっと死ぬんだ。鬼ヶ島かも。巨大な影に覆われてしまう気がして、数えている第三者である自分でさえも飲み込まれてしまうのではないか?と押しつぶされそうになる。
100匹あたりで飽きが来る。
子守唄を口ずさむ。
声質がうるさい。音痴め。さらに脳が覚醒してしまう。
自分がさらわれてしまう気がする。ジェットコースター前にいる山賊みたいなやつに。早く追いつかないと、と足が空を掻いて、答えのない問いを考える。
宇宙の心理、なぜ自分が生まれてきたのかなど。お風呂に入っている時でさえも、こんな事は考えない。
大体、スタンドマイクみたいなのが溶岩を吹く映像で終わってしまう。
全部溶けてなくなって、概念みたいなものも初めから存在していなかったことになる。栄枯盛衰、どんなものにもいつか終わりが来るんだって悟って、それで終了。
今日あったこと、昨日あったこと。日記を書くときみたいに、近況を振り返ってみる。半年前に友達とした約束を思い返してみたり、逆に、明日の予定表を思い浮かべてみる。
甘いものは好きだけど、生クリームを過剰に摂取するのは胃が拒絶するから、何事にも適量があるんだって。中学生の時、家庭科の授業だったか、ミシンで指を縫ったときの恐怖に血管がビビっている。
気づいたら、もう3時を過ぎている。
あと2時間しか眠れないと知ってしまうと焦るので、目覚まし時計を90度左に傾けて、3時間前に巻き戻す。
冒頭に戻る。
朝が来る。まだお日様のカケラも映っていない暗闇。寒いから、きっとここはこれから夜になる遠い別の国なのだろう。床の冷たさに、足先が震える。
無性にオレンジジュースが飲みたい。