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【インタビュー】福祉に触れて自分の生き方を考える

今回お話を伺ったのは、社会福祉法人あおぞら福祉会のインターンシップに取り組んだ相場さん。
何事も自分の目で見たい、自分で体験してみたい、とお話しされていた相場さんの雲南市での挑戦について伺いました。

今回インタビューした学生


●相場つぐみさん
大学:法政大学
出身:東京都
雲南市の好きなところ:ご飯が美味しい!!!

主なミッション

受け入れ先:社会福祉法人あおぞら福祉会
テーマ  :若者に福祉業界で働くという選択肢を。福祉の未来を創造する仲間募集!
受入期間 :令和6年2月28日(水)~令和6年3月26日(火)

感謝されるありがたさとそれに励まされる自分がいること


ー今回のインターンシップでどのような活動に取り組んだのか教えてください
介護予防と認知症予防に特化した通所介護施設「カルチャーセンターあおぞら」にてインターンシップをしました。福祉業界で働くことを体感するためにスタッフさんと同じように活動させていただいたり、施設のレクリエーションで普段からされている脳トレを若者の新しい視点で考えたりして欲しいということで、作成したり、福祉業界の人材不足についてのレポート作成をしたり、主に3つのことに取り組みました。

ー実際に働くことを体験してみていかがでしたか?
私が大学生で、カルチャーセンターあおぞらに初めて来たインターン生ということもあって、みなさんにとても良くしていただきました。それだけでなく、利用者さんの移動や作業のお手伝いした後に私を気遣う言葉をかけてくださったり、「あなたが頑張っているから私たちもお手伝いしてあげたいって思うんよ」と言って利用者さん自らが配膳や食器の片付けの率先してお手伝いをしてくださったり。
職員さんからも「あなたが頑張ってるから私たちも改めて仕事を頑張らないとって思うわ」と言っていただけたので、ほんの少しはカルチャーの皆さんに貢献できたのではないかなと思っています。

ーとても素敵ですね。福祉業界について大学で勉強されていると伺ったのですが、実際に現場に入ってみて感じたことはありますか?
今回のインターンシップで実際に自分で体験してみて感じたのは、介護職の“魅力“です。介護職として利用者さんをお手伝いする以上に、利用者さんに励まされたり救われたりすることがとても多かったです。「あなたでよかった」「ありがとう」と毎日何十回も言ってもらえる仕事って介護職以外あまりないだろうな、と。
以前、「介護職の人のセルフリスペクトを高める」というコンセプトでメディア発信をされている団体のアシスタントをやらせていただいたことがあるのですが、そこで介護職の方々に取材をさせていただいたときに、皆さんがすごく楽しそうに介護職にプライドを持って働かれていルことを知り、その時から介護職に対してポジティブなイメージを持っていました。一方で、大学で学ぶことは「3Kの仕事」というようなマイナスな情報が多くて。大変なこともおそらくあるだろうけれど、これだけ感謝される仕事もないなと。感謝されるありがたさとそれに励まされる自分がいるということを初めて知りました。

ーとても楽しそうにお話しされていて、良い1ヶ月を過ごされたことが伝わってきますね。脳トレの作成についてはどんなことをしたのですか?
脳トレは、50個くらい作ってみて欲しい、と言われたので、50個以上作るぞ!と意気込んで取り組みました(笑)
本を貸していただいたり、インターネットで調べたりして作成しました。

ー1番の自信作はありますか?
線対象の図形を書く脳トレです!!!!皆さん「難しいわね」と呟きながらも一生懸命取り組んでくださり、「家でもやりたいからもっと頂戴!」と多くの方から言っていただけて嬉しかったです。
前頭葉や頭頂葉など脳の部分ごとにトレーニングできる問題を作成したり、日々の生活の中で無理なく続けることができる脳トレ体操を作ったりしました。毎月雲南市役所で開催されている、認知症の方や認知症に関心のある方向けのオレンジカフェでは、私が考えた脳トレを来られた方に向けてレクチャーさせていただく機会もありました。

ー1日のスケジュールについて教えてください。

9時に出勤して、利用者さんがいらっしゃるまでの間に準備をして10時から15時までは利用者の方と体操をしたり、お茶をしたり、レクをしたりして過ごしました。午前は脳を使うレクリエーション、午後は身体を動かすレクリエーションをしました。15時から17時までは掃除や明日の準備をして退勤です。

胸を張って頑張ったと言えるくらい頑張りました

ー1ヶ月のインターンシップで1番印象に残っていることを教えてください。

いっぱいありすぎてわからないです。笑
毎日利用者さんに「なんで東京帰るの、島根におってや」と言っていただいたり、私がお休みの日は「相場さん今日はいないの」と言っていただいたり。私が仕事をできないなりに動いて失敗しているところをみて、利用者さんに「あなたをみていると私の昔を思い出すよ、頑張ってるね。えらいよ」と言っていただけたり。職員さんにも本当によくしていただきました。
あ、カエルのお守りの話があります!「東京に帰らんで、という思いと、また島根に帰ってきてね、という思いをかけてるのよ」と職員の方から以前カルチャーで作ったという手作りのカエルのお守りをいただきました。私の宝物です。
日頃からお野菜を分けてくださったり、「相場さんいっぱいご飯食べるんだから!」余ったお米でおにぎりを帰りに持たせてくれたり。全ての方に気遣っていただいたので、どれが特別というよりも、全てが特別です。

ーインターンをする上で気をつけていたことや意識していたことはありますか?

「ひたすら頑張る」ということです。笑
職員のみなさんも、利用者さん第一でお仕事しているのに、さらにインターン生の面倒を見なければいけないのは絶対に大変なはず。ひたすら動いて周りを見ていました。失敗してはそれをメモして、というのを繰り返し、失敗や迷惑をかけることも多かったですが、胸を張って頑張ったと言えるくらい頑張りました。その姿を利用者さんや職員の方に見ていただけていたのかなと思います。

ー1ヶ月で1番変化したなと思ったことについて教えてください。

インターンに来る前は、高齢者の方といったら自分の祖父母くらいしか接する機会がなかったので、初めは接し方や何を話せばいいのかすら分らないところからスタートしましたが、毎日利用者さんがご自身の若い頃のお話しや生きていく知恵を教えてくださり、とても楽しかったです。とても勉強になりましたし、年上の方とお話しするのはこんなにも楽しいんだと知りました。元々人と話すのがそんなに好きではないタイプだったのですが、自分と同じタイプの職員さんの動きや接し方を観察していました。

ーコミュニケーションをする上で意識していたことはありますか?

「あなたの話を聞いているよ、」という姿勢をきちんと見せることを意識していました。出雲弁が分らないし、耳が遠くなってしまった利用者さんも多く、時には大きな声で話さないといけない時もあり、少し大変だったのですが、相槌を大きく打って頷いたり、柔らかい表情で話を聞いたりすることを意識していました。出雲弁は本当に難しかったです。笑

人との物理的な距離が遠くても、関係性はすごく近い

ー雲南にくることを決めた理由はなんでしょうか

私は日本の離島に行ったりすることが好きで、東京から離れた「ザ・観光地」ではないところに行こうと思っていたときに、たまたまインターンシップの募集をみて、雲南がどこにあるのか分らなかったので申し込みをしました。笑
福祉と言っても、これまで私が取り組んでいたのは子どもと関わる福祉が主でした。高齢者さんと関わるのはこのインターンシップが初めての機会となるので、「大丈夫かな、やっていけるかな」と心配でした。介護の仕事は重労働だと授業などでも聞いていたし、知らない土地でシェアハウスだし、自分にできるのだろうかと心配でした。最終的には、たった1ヶ月だし、万が一辛くても耐えられるだろうと思い挑戦を決めました。

ー雲南市での暮らしはいかがでしたか?

最初きたときは正直何にもない!とすごく衝撃を受けたのですが、雲南に住んでみるとなんでもある!と思うようになりました(笑)
雲南の地域住民の方が、
「東京は人が多いから人同士の物理的な距離はものすごく近いのに(満員電車とか特に)、心の距離は遠くてその人のことは何も知らないというのが当たり前。一方で、雲南は人が少ないから物理的な距離はすごく遠いけど人との関わりは密、すごく近いんだよ」
ということをおっしゃっていました。インターン中に車で1人で山道を走っている時に、前に車がいるだけで、わあ!誰かいた!!って少し安心したことがあって、人との物理的な距離が遠くても、関係性はすごく近いということが身に染みました。

ー印象に残っている思い出について教えてください。

ご飯が美味しい!!不思議なもんで、東京では白米を食べないタイプですが、雲南にきてからおいしくて1日に2合くらい食べてました(笑)お魚も美味しかったです。

ーこれからの学生生活について教えてください。

国内・国外行きまくりたいです!様々な業界のインターンももっとしてみたい!留学もしたい!何事も自分で体感して自分の目で見たいというタイプなので、色々なものにこれからも触れていきたいと思います。

福祉に触れて人生の流れを考える

ーこれからインターンシップに参加する学生に向けてメッセージをお願いします。

福祉の業界に興味がない人でも体験してみたら絶対に楽しいと思うので、福祉業界へのインターンを強くおすすめします。実際に体験してみたら、いかに福祉業界に対してバイアスを持っていたか、いかに無知であったか、日常生活の中でなんらかの困難(障害)を持つということに対して、人ごとに捉えていたことに気づくと思います。誰にだって赤ちゃんのときも小学生の時もあって、それを経て誰もが“高齢者“になります。福祉業界へのインターンシップは、人生の流れを考えられる一つのきっかけになると思います。


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