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No.1 松田浩和の好きな屋久島~花山歩道~

花山歩道1

あらよ!ガイド兼カメラマンの松田浩和です。
信州大学を卒業後海外登山に挑戦し、あらためて日本の山の美しさを感じました。
移住のキッカケは『直感』(笑)。帰国後7年ぶりに来島し、人生の転機だと思い勢いで住み始め5年目に突入しました。今は妻と娘、息子の4人家族。そろそろこの土地に根を下ろそうかとワクワク計画中。

今回は馬場貴海賀ちゃんの紹介より筆を執らせていただきます。コロナショックの日本列島、観光業が7割の屋久島においてその影響は大きく、ガイドとして島外の方と関わり、また島内で生活する自分の立ち位置やふるまいを考える毎日です。

そんな中『屋久島が好きだから今は屋久島には行けない』というリピーターさんの声を聴き、自分にも誰かにとっても大切な場所にこの状況で声を大にして『おいで!』とはとても言えないと痛感しました。だけど、今は行けないけど、苦渋の決断でキャンセルしたけど、はたまたまったく興味もなかったけど、屋久島の写真や記事を読んでワクワクしてもらえたり、いつか来ていただければと思いそれぞれの好きな屋久島を紹介させていただきます。


『花山歩道』という登山道はご存じですか?

屋久島といえば縄文杉、白谷雲水峡が有名です。それこそ縄文杉なんて連休には1000人近い人が訪れる大人気スポットです。もちろん日本最大の杉である縄文杉は圧倒的な存在感があり、大株歩道には美しい森が広がります。

だけどそんな大人気スポットの反対側にほとんど人の歩かない静かで特別美しい登山道があります。それが花山歩道です。花山原生林とも呼ばれる森は屋久島においても最も広がりのある原生林とも言われ、国内で有数の美林が待っています。

縄文杉や白谷があるのは人々の多い島の東部、一方花山原生林は人の少ない島の西部に位置します。屋久島における伐採の歴史は江戸時代ごろまでさかのぼり、縄文杉や白谷はもちろん、原生林と言えど花山の森も数百年前には伐採が行われています。しかし、花山原生林は世界遺産エリアとは別に、日本でも五か所しかない『原生自然環境保全地域』に指定されています。

花山歩道登山口は標高約500m、9キロで標高1550mの鹿之沢小屋、さらにあと1.3キロほどで屋久島第二の高峰永田岳に到着です。ぶっちゃけ登りはキツイです。特に前半は急登が続き、夏場にはヤマビルがうようよいます。だけどそれを差し引いても素晴らしいルートとなっています。

花山歩道2

標高が上がり針葉樹が増えてくると美しい森がほぼ貸し切りで見どころだらけなのですが、強いておすすめポイントを紹介すると『花山広場』と『ハリギリの巨木』かなと思います。花山広場は標高約1250m付近の開けた場所で屋久杉の巨木がおでむかえしてくれます。花山歩道の特徴は無名の巨木がいたるところにあり、過酷な環境で生きながらえてきた個性的な魂の宿るような木々たちにあえることです。花山広場付近にはそんな魅力的な巨木たちがこれでもか!というほどあります。

花山歩道3

そしてその巨木たちの中でひときわ目を引くのが花山広場から永田岳方面に行ったところにあるハリギリの樹です。高さはないですが天に広げる枝ぶりはカッコよく、地面を見ると広範囲に落葉が広がっており、落葉樹の少ない屋久島でこの巨木がいかに周りの森を潤しているのかがわかります。僕のフェイバリットな樹の一本です。

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とても素晴らしい森が広がる花山歩道。日帰りで花山広場付近まで行ってまったりするもよし。一泊二日鹿之沢小屋泊りで東シナ海に沈むサンセットを楽しんで翌日、永田岳に登って降りるもよし。好きなだけ山中で過ごす通り道にするもよし。

少々アプローチは悪いですが、ハードですが、ヒルもめちゃんこいますがいい道です(笑)静かな森を歩きたい、屋久島リピーターだという方は足を運んでみてはいかがでしょうか?ただ、道は縄文杉などに比べるとわかりにくく(歩きにくく)上級者向けのルートとなっています。自信のない方はガイドを利用して散策してみてください。

インスタにて屋久島の風景など写真上げてます。よかったらフォローしてください。
https://www.instagram.com/kazu.yakushima

ガイドのお問合せなどは山岳太郎または090-7965-5155までお願いします!

松田浩和

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