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王者・川崎フロンターレVS片野坂・大分トリニータ/第101回天皇杯準決勝

⚽️2021年12月12日 16:58

初めて訪れた川崎という街の
見知らぬ駅へ私は急いだ。

等々力のゴール裏に気持ちは残して、
体は羽田空港へと向かう。

勝った。

王者・川崎フロンターレを倒した。

延長戦の後半に先制され、
アディショナルタイムで追いつき、
延長戦を戦い抜き、
PK戦を制し、
私たち大分トリニータは、
2020・2021シーズン王者であり、
第100回天皇杯王者である
川崎フロンターレに勝ったんだ。

今季で大分トリニータを去る
片さんともう一試合戦える。
なんて幸せなことだろう。

そう思いながら、歩いた。

⚽️2021年12月12日 早朝

福岡空港での搭乗待ちのロビー。

見知らぬ男性から声をかけられた。

搭乗口近くのカウンターで、
iPhoneの充電をしながら、
私はnoteを書いていた。

目の前の感染防止のついたて越しに、
何やら視線を感じる。

ふと顔を上げて、
目の前の男性を見るが見覚えはない。

気のせいかと、
ふたたび、noteを書き始める。

ほぼ全体を書き終えたあたりで、
搭乗案内のアナウンス。

荷物をまとめ、搭乗口へ向かっていると、
さきほどの男性から、声をかけられた。

『天皇杯に行くんですか?』
『はい。もしかして川崎サポさんですか?』
『いいえ。トリサポなんです。今日はジャイキリ起こしましょう。』
『もちろんです。勝ちましょう!』

そんなやり取りだったと思う。

なぜ、私が天皇杯に向かっていることが、
彼にわかったのか。

大分トリニータのレプユニを着て、
ロゴの入ったバッグを持っていたから。

私は、家からレプユニを着て、
等々力に向かっていたのだ。

⚽️大分トリニータを知らない頃の私

いろんなことをやりたいけれど、
いろんな理由をつけては、
諦めようとして、でも、諦めきれなくて、
そんな思いを息子と娘に託そうとしていた。

大分トリニータを知ってからは、
サッカーのためだけに大分に通い、
サッカーのためだけに
アウェイ遠征することを覚えた。

大分トリニータを応援するようになって、
見知らぬ土地へ1人で訪れることは、
なんの抵抗もなくなった。

というよりも、
いろんなスタジアムを訪れたくて、
仕方なくなった。

トリニータを知る前の私には、
考えられないことだ。

⚽️初めての等々力

等々力陸上競技場は、
いつかは訪れたいと憧れていたスタジアム。

電車を乗り継ぎ、
降り立った川崎駅付近では、
水色のフロンターレカラーのフラッグ。

歩ける距離だけど、
今回は、市営バスで等々力へ。

福岡ではあまり見かけない前方乗車のバス。
ICカードをタッチする場所を探していると、
親切なおじ様に『前乗りよ』と
教えていただいた。

バスにはユニフォームを着た人の姿はなく、
間違えたのかと内心不安になる。
等々力グランドのアナウンスに
ボタンを押し、降車。

降車して当たりを見渡すと、
あちこちから、
水色のユニフォームを着た川崎サポさんたちが、
ぞろぞろ同じ方角へ歩いていく。

慌てて、横断歩道を横切り、
彼らについて行く。

茶色い建物の横を抜けると、目の前には、
銀杏並木とフロンターレのアーチ。

わぁ。
着いた。来たんだ、等々力に。

アーチをくぐり、
両端に並ぶ
スタジアムグルメをのぞきつつ、
等々力陸上競技場へ。

たくさんのサポさんが、
フェンスを囲んでいる。
何事かと思ったが、すぐにピンと来た。

確信を得るために、
近くの警備員のおじさまに質問。

『ここはバス待ちのポイントですか?』
『そうですよ』
『もしかして、対戦チームもここで降ります?』
『そうですよ』

せっかくだから、初等々力でのバス待ち体験。

すぐそばに、小さな男の子を連れた
トリニータのユニを着たお母さん。

『こんにちは。可愛いですね。』
『ありがとうございます。
もしかして、海トリさんですか?』
『はい』
『Twitterフォローしてます。○○です。』

キャリコンを
これからの仕事にすると決めてから、
顔出ししたので、ご存じだったみたい。

私、サッカー界隈で、
絶対悪いことなんかできない。

おしゃべりしながら、一緒にバスを待つ。
すると、お近くに、
別のトリニータのユニフォームを着た女性。

トリサポのご縁で、
3人でおしゃべりしていると、
我が大分トリニータを乗せたバスが到着。

まず、降りてきたのは、
我らが片野坂知宏監督。

スタメン発表前に、
バスから続々と選手が降りてくる。

これでスタメンがわかるねと、
3人で一生懸命に確認。

ケガを心配していた松本怜選手の姿。
思わず声を上げる。

選手の後ろ姿を見送ると、
座席エリアの違うおふたりと別れ、
大分トリニータ側の
応援席の入場口へ向かう。

先週の柏に続いての初スタジアム。

足を踏み入れた瞬間、
その景色に目を奪われる。

キレイだ。
あの特徴的な屋根と青空が
とても良く似合う。

ほぼピッチと同じ目線で、
柵はとても低い。
油断していると、ボールは直撃する。

川崎さん側の弾幕と、大分側の弾幕。

なんかもうたまらない。

私は、ホントに等々力来たんだ。

⚽️私の居場所はゴール裏

大分トリニータの試合に行く時、
私の居場所は決まっている。

ゴール裏と呼ばれる
応援することが前提のエリア。

言葉を選ばないなら、
試合観戦よりも応援優先。

大分トリニータを応援し始めて
4年4ヶ月。 

今回の等々力でも、
たくさんの知ってる顔に再会する。

中でも、うれしかったのが、
私がやらせてもらっている
北九州トリサポ観戦会を
手伝ってくれていた男の子との再会。

彼は、夢に向かって、
東京で頑張っている。

久しぶりに彼の笑顔。
元気そうだった。

より最高の笑顔で、
スタジアムから帰れるように、
せいいっぱい応援しよう。

⚽️誤算

試合開始を待っていた時、
お隣の方から、
天皇杯の試合で決着がつかない場合の
延長戦やPK戦を指摘される。

そうだった。忘れてた。

試合経過はもちろん、
どの段階で勝敗がつくのかによって、
試合途中で、
空港に向かう羽目になる。

別の意味でも、
ハラハラドキドキすることになった。

リーグ戦と同じ時間配分のつもりで、
何の気なしに予約した航空券。

天皇杯は、リーグ戦とは違う。

90分で決着がつかなければ、延長戦。

そこでも、決着がつかなければ、PK戦。

まさか…まさか…でも…。
そのまさかの展開が、現実になった。

⚽️試合開始

これが王者か。

あらためて思った。

2019年シーズンの
初めて見た対戦でも、
J1とはこのレベルなのかと
唖然としたのをよく覚えている。

悔しいほど、上手い。

今日のヒーローは、GKの高木駿選手。
そして、DF陣。

28本撃たれたシュート。
決まったゴールは1本のみ。
それくらい、川崎さんのシュートを
止めて、止めて、止めまくった。

90分の試合を終え、0-0。

30分の延長戦の後半
川崎の小林悠選手が先制。

落ちそうになる気持ちを、
選手が、トリサポさんが、
まだまだこれからと、前を向く。
手拍子がより大きくなる。

アディショナルタイムは3分。

ここで、頼もしいブラジル選手の
エンリケの同点ゴール。

まさか、まさかは、あった。

すごい!行けるぞ!

PK戦。

こちら側のゴールで行われたので
駆け引きっていうのがものすごくわかる。
蹴る。決める。止められる。
止める。決められる。

言葉にするとこれだけだけど、
そこには、
言葉にできない駆け引きがある。

【大分】 1本目:○下田
【川崎F】 1本目:○知念
【大分】 2本目:×長沢
【川崎F】 2本目:×山村
【大分】 3本目:○松本
【川崎F】 3本目:○小塚
【大分】 4本目:○Hトレヴィザン
【川崎F】 4本目:×塚川
【大分】 5本目:×小林裕
【川崎F】 5本目:○小林
【大分】 6本目:○三竿
【川崎F】 6本目:○谷口
【大分】 7本目:○町田
【川崎F】 7本目:×山根

この瞬間、大分トリニータの勝利!

数人と言葉を交わし、
トリニータを愛してやまない
大分のアーティストの嬉し涙を見て
私は、等々力をあとにした。

心はゴール裏に置いて。

⚽️帰り道の福岡空港

何とか搭乗予定の飛行機に間に合い、
福岡空港へ着陸後、
私が見られなかった試合後の様子を見た。

片さんが、選手が、コーチ陣が、
トリサポさんが、ほんとにうれしそうで、
他サポさんたちや、川崎サポさんまで、
おめでとうと言ってくれてて、
ホントに幸せな気持ちになれた。

福岡空港から地下鉄へ向かう通路で、
スーツ姿の男性に追い越された。

その瞬間、
トリニータのユニフォームを着た私に、
こう言ってくれた。

『おめでとうございます。』
『ありがとうございます。』

ユニフォームを着ての移動は、
行く先々でこんな出会いがあるから、
辞められないな。

⚽️来週の決勝戦参戦は

来週の決勝戦、すでに心は国立へ。

懐具合と家庭の事情で、
即決とは言えないが、
たぶん…行くだろうな。

いや、行く。

⚽️追記

私は、大分トリニータを愛する
福岡県北九州市のキャリアコンサルタント。

人生はサッカーそのもの。

出来るかどうかは神のみぞ知る。

自分で決められるのは
やるかやらないか。

どうせ1度の人生。

最期の時に後悔なんてしたくない。

そんなモットーの私は、
人生まるっと楽しんでる
そんな仲間を増やしていくことを
これからの仕事にすると決めました。

大切なのは、
自分のホンネと向き合って、
自分の人生を自分で決めて、
自分の足で進むこと。

一人で出来る人は、すでにやってる。

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