カルチャー構築・醸成という観点からみた評価制度の意味と、現場への伝え方
いま『カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方』を読んでおり、まだ途中ではあるものの、感じたことをアウトプットしみます。
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さて『図解 人材マネジメント入門』によると人事評価の目的は3つあります。
中でも「カルチャー」の観点から評価制度の成り立ちをひも解くと、
「会社が求める(期待する)人物像」
「ビジョン・ミッション・バリュー」
という経営陣の想いを、定量的・定性的に翻訳していくことが、評価制度の制定の過程だと理解しています。
ただ、このバックグラウンドを現場の1次評価者はどれくらい理解できているだろうか...
episode
私は1社目で労働組合執行部に在籍し、主に賃金を始めとした処遇や、評価制度の運用実態調査/改善提案を担当していました。被考課者の調査から、MGR(1次評価者)の運用Lv.で分けてみると下図のようになります。
Lv.2が最低ラインだと思っていますが、残念ながらここに到達している人も少ないのが実情でした。 これにはマネジャー研修の内容も関係しているかと思っています。 研修から帰ってきたマネジャーの話を聞くと、リーダーシップ/フォロワーシップ、コミュニケーションなど、汎用的な"マネジャー像"強化についてのボリュームは多いのですが、企業に特化した評価制度についてのボリュームが明らかに少なかったです。評価についてWhat(何を)、How(どのように)が最低限共有されるだけ。Why..つまり、何のために評価制度があるのかについては、公平感ある処遇の分配という面しかフィーチャーされてない印象がありました。
これでは、企業にフィットした人材はいつまでも育ちませんし、企業が目指す文化の醸成も遅れる一方だと、当時の人事の方と話した記憶があります。(改善への動き出しは、吸収合併、統合のうやむやで勢いがそがれてしまいましたが...)
恐らく今後は、従来よりも企業カルチャーというものが注目される世の中になっていくでしょう。そうしたときには、評価制度はただのツールではなく、カルチャーにフィットさせる/育成していくという意味を伴っていることを、現場マネジャーへ浸透させることが大事だと思います。
またカルチャーを平易に表現すると「らしさ」や「イズム」になりますが、「匂い」も言いえて妙な表現化と思います。これまでオフライン下では、カルチャーの明言度が薄くとも、求められる成果や行動を感じ取ることはできたし、モデルになるような人材から受ける影響のようなものはありました。現場にカルチャーという匂いが充満し、自然と吸っていたので、なんとなく方向を合わせることができた。
しかしテレワーク下では、嗅覚が遮断されます。日本人の強み(空気を読み調整する)を削がれていってしまっている現状がある。背中で語っても届かない!そんな現状です。なのでカルチャーを作っていくにはこれまでいじょうにそれを「言語化する(自分で語れる)力」と、それを「語り合える環境が必要になってくると思います。そして、非言語的にカルチャーの共有が一層難しくなっていくことを考えると、カルチャーを定量的・定性的に表した「共通言語としての評価制度(こういう成果・こういう行動が望まれる)」をうまく運用していくことで、フィットを促進していけると考えます。
では具体的にどう進めていくかというところについては、これからまた考えていきます。
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