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ラジオとサーフィン、アナログとデジタルの“波”を愛すラジオDJ・堀内尚子さんインタビュー


ワンちゃん達と一緒に「ようこそ!」とご自宅に迎えてくれた堀内尚子さん。ラジオDJやイベントMCなどで活躍する中、彼女のライフスタイルの一部となっているのが、サーフィン。ハードスケジュールの合間をぬって、ほぼ毎日彼女が海にいく理由は、「自分が素直になれる場所」だから。詳しいお話と、ご自身の乳がん経験から立ち上げた、「ハローサンシャインプロジェクト」への想いなど、編集部の河田と磯野が伺いました。

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堀内尚子
東京都生まれ。高校時代にボディボードを始め、現在はオールジャンルの板で波乗りを楽しんでいる。世界各国の海でサーフィンを楽しみながら、小・中学時代をベルギー、フランスで過ごし得た英語力を生かし、ラジオDJ、イベント等のMCとして活躍中。


「海大好き!」堀内さんが語る海の魅力とは?

―東京生まれ東京育ちの堀内さん。学生時代は海外暮らしも長かったとお聞きしました。今のように海を好きになったきっかけは何だったのでしょう?

堀内:大学の時の彼氏の影響ですね。サーファーだったんです。最初は彼の様子を浜辺で眺めていたんですけど、私自身アクティブな人間なので、ちょっとつまんなくて(笑)。彼の「やってみれば?」という一言もあって、ボディボードから始めました。

その後、友達とハワイに旅行した時にサーフボードに乗ってみて、ボードの上に立った時、視界が今までのボディボートとは違う景色の広がり、そして美しさに感動したのを覚えています。22歳くらいの頃かな?それ以来、サーフィンと、海が大好きです。

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―サーフィンや海は、癒やしの存在にもなっているんですよね。

堀内:そうですね。サーフィンにハマり出した頃は念願だったラジオパーソナリティの仕事に就けて、生放送などで大忙しだったんです。コンクリートジャングルの中で心身ともに疲れていて、休みの日には「海に行きたい!サーフィンしたい!」という気持ちでした。

以来、住む場所も旅行先も「海」がマスト。海の近くにいると、立ち止まれるきっかけをもらえたり、潮の香りや空気感にホッとできたり、呼吸がゆっくりと深くなっていくのがわかります。

乳がん摘出手術の2週間後、愛犬が亡くなった翌日。どんな時も海に向かい、波の上にいました。術後上がらなかった腕が、海の中で動かせた時に感じた生きることの素晴らしさ。大切な存在を想って、自分の心が納得いくまで声をあげて泣いた場所。海は私が一番素直になれる、母のような存在ですね。

―ラジオの仕事に就いたのには、何か理由があるんですか?

堀内:中学はフランスにある学校に通っていたんですけど、日本語が下手なせいでいじめられていたんです。全寮制なのでつらかった…。学校でも家に帰ってもいじめっこがいるんですもん。

その時に「絶対この子らを見返したい、言葉を使う仕事に就きたい!」って思っていて。日本に帰ってきた時に、たまたまラジオをつけてみたら、日本のラジオってめっちゃしゃべる(笑)。それが面白くて、「ラジオパーソナリティになろう!」って決めました。

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ラジオって、限られた時間の中で、自分の声と言葉で表現していく職人技の世界。ジェスチャーや表情で誤魔化せないし、特に生放送は一本勝負。同じ波は二度と来ないというサーフィンにも共通する所が、私にとっては魅力的で本当に楽しい。ラジオは“電波”という電気の波を使い、サーフィンは海の波を使う。デジタルとアナログの波が、私は本当に好きなんです。


胸の大きさ、形、バランス…コンプレックスをチャームポイントに変える、「ハローサンシャインプロジェクト」

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―乳がんのご経験から始められた「ハローサンシャインプロジェクト」。設立経緯を教えてください。

堀内:2015年、私の胸に乳がんが見つかりました。手術自体に抵抗はなかったのと、初期段階だったいうことで摘出手術を決め、先生には「サーフィンがすぐにできますか?」と確認しました。

サーフィンは私の生活の一部になっていて、先生にもその重要性を訴え続けていたから、日焼けの跡から傷口がみえないよう手術してくれたんです。海にもすぐに入っていいですよって許可をくれて。ありがたいですね。

設立を考え始めたのはその後。術後に病院で、今後の生活の送り方についての説明を受けた時、見せてもらったカタログに掲載されていた下着のバリエーションが、とても少なかったんです。

身につけるアイテムが選べない。私は、癒されるためにサーフィンをしたいのに、健やかな体づくりのためにスポーツをしたいのに、アイテムが限られてしまうのか、と本当にショックでした。胸元の開いた洋服、ビキニ、かわいいヨガウェアが着られなくなるのか、と。女性ってファッションが好きだから、着るものを制限されたら、人生を楽しめないな…って気付きました

―そこで、ファッション、食、スポーツなどの面から乳がん患者をサポートするプロジェクトを始めたのですね。

堀内:そうですね。たくさんの女性にヒントを与える役割になりたいと思って立ち上げました。「ハローサンシャイン」って、お母さんが子どもや愛している人に向けて声を掛ける時の言葉でもあるんです。だから悩んでいる女性に向かって、「あなたは太陽のように美しい」という意味を込めてつけています。

―「ハローサンシャインプロジェクト」の今後の展開について教えてください。

堀内「ファッション」「食」「スポーツ」「美容」「音楽」の5つのコンテンツを楽しめるイベントを開きたいですね。開催時期はまだ見えないですけど、ヘルシーなオーガニック野菜を売っていたり、ステージでは音楽を演奏していたり、ファッションもおもいっきり楽しめたり。乳がん経験者もそうでない人も心の底からはじけられる、ハッピーなイベントにしたいです。…まずはスポンサーを募らなきゃ(笑)。


心と体が喜ぶ、ありのままの自分でいられるファッションブランド「via Bella」

―ハローサンシャインプロジェクト内で展開している、オリジナルブランド「via Bella(ヴィアベラ)」について教えてください。

堀内:元々は乳がん患者さんへ向けて、自分らしく過ごせるリラックスウェアの開発から始まりました。でも色々とリサーチをしていくうちに、どんな女性でも胸に対してコンプレックスを持っている事が分かってきて。胸の大きさ、形、位置など、悩みが無い人って、ほとんどいなかったんです。

なので現在は皆が身につけられる、コンプレックスをチャームポイントに変えるアイテムを作っています。

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―水着などの種類も豊富ですよね。

堀内:そうですね。下着のバリエーションにショックを受けたのがきっかけというのもあって、インナーとしても使える水着の展開が多いかも。ゆくゆくは下着も作りたいと思いつつ…、水着の生地って色んな体型の人に合わせられるから、結果水着めっちゃアリだなと思っています(笑)

乳がんを経験した人って、乳がんパッドというのを使って体のバランスを取るんですね。パッドは結構大きいんですけど、水着だと伸縮性があるから入れやすいし、アンダーのホールド具合もばっちり。上がってくる心配も無いんですよ。

―水着はどこで作っているのですか?

堀内:日本とバリの2拠点で作っています。多くの人が手に取りやすい価格を目指しながら、仲間と相談して作っていますね。

胸元を強調しない分、キレイに見えるデザインを追求しています。素材もこだわっていて、バンブーの繊維が入ったコットンや草木染めなど自信作ばかり。バリでも日本でも、ビキニ職人さん達がとても丁寧に作ってくれているんです。

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▲2021年の水着の一部。背中の開き具合&豹柄がセクシー!


―「via Bella」はどこで購入できますか?

堀内:現在は公式のオンラインショップと、2021年7月からはURBAN ISLAND SOCIETY(アーバンアイランドソサエティ)」っていう、ホノルル発のカジュアルブランドを展開するショップに置かせてもらいます。

元々店頭販売は考えていなかったのですが、直接手に取って見たいという声が多かったのと、せっかくお声掛けもしていただいたので、挑戦してみることにしました。

―男性向けの商品もあるとか。

堀内:そう。乳がんって、男性からの支援やサポートがとても大切だと思うんです。でも表面上はその意志が分かりにくい。そこで男性も意思表示をしやすいよう、男女兼用のアイテム展開をしてみました。男性への告知については、ラジオ業界という男性社会で長年経験してきた私のキャリアとか、そもそもの私の男性的な性格が出ているのかも。お付き合いのある方々には「ぜひ周りに宣伝してね」とフラットに伝えてみています


大好きな海で過ごし続けるために、2人のお子さんへ伝えていること

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―お子さん達には海での過ごし方にや海ついて、何を伝えていますか?

堀内海に対しての意識の持ち方はしっかり伝えています。

例えばゴミ。いつまでも砂浜を裸足で歩けるように、思いっきり波とあそべるように。「町に落ちているゴミが風や川によって海に流れ着くんだよ」って話したら、彼らは自然と道端や海に落ちているゴミを拾うようになっています。海も町も山も、全部が繋がっていることを理解してくれているから、自然と行動が習慣化されていて。本当にうれしいですね。


その他、小さい頃に教えていたのは、「浜辺は波打ち際が危ないこと」「海に入る時はライフセーバーのいる海水浴場で」の2つかな。荒れている海に近づかないことも重要。波のエネルギーの前では人間なんて一飲みですから。

あとは子ども達はサーフィンをしているので、海での過ごし方を自然に学んできましたね。子どもって本当に予想できない動きをするから、お子さんと海に行きたいと思っている人がいたら、可能なら水泳は習わせた方が良いと思います。

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▲息子さんの具裕くん。放課後、堀内さんとサーフィンに行くことも。

―大好きな場所で、楽しい思い出をたくさん作ってほしいですもんね。

堀内:本当にそう。海って、サンセットを眺めたり、普段出会わない生物やゴミを見つけたり。思い思いに過ごせて、何気ない発見やクリエイティブな刺激があるのも魅力。娘はサーフィンに最近行ってないですけど、「友達と海に行ってきた〜」って言ってたりするから、きっと心の拠り所のひとつなんですよね。

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▲堀内さんの娘・可憐さん。堀内さんいわく「海が大好き」とのこと。

私も幾度となく海に思いをぶつけてきて、海はありのままに受け入れてくれた。海の前では大人と子どもの境目がなく、誰もが素直になれる場所。厳しいようでいて、とってもやさしい海に触れあいながら、子どもや家族とハッピーに過ごしていきたいですね。

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「サーフィンを始めてから、ライフスタイルの中に必ず海があり、一番自分らしく過ごせる場所」と話していたのが印象的です。辛い時も楽しい時も、海は変わらずにいてくれるから、自分の気持ちをリセットできるのかもな…と感じました。そして取材中、猛烈に「海に行きたい!」と何度思ったことか…。

堀内さん、ありがとうございました!
「ハローサンシャインプロジェクト」、そして「via Belle」も引き続き注目ですよ!

<堀内さんの最新情報はこちらから>
https://www.instagram.com/n.a.o.k.o.h/?hl=ja
堀内さんは現在ABCラジオ他で放送中のラジオ番組「うまいもの見っけ!」のパーソナリティの他、新たなポッドキャスト企画も進行中とのこと。続報を待ちましょう!

<ハローサンシャインプロジェクトの最新情報はこちら>
https://hellosunshineproject.themedia.jp/