シズム
自殺未遂を起こして入院するまで、私は市販薬依存だった。 市販薬を推奨する記事になっては困るので、個々の効果は書かない。 一日何十錠も飲んでいた。それが私の日常だった。 今思うと、入院前の私は、 「うつと付き合っている」 けれど、 「うつと向き合って」はいなかったんだと思う。今は、向き合っている。 退院して一番恐れていたのが、ドラッグストアだった。 ドラッグストアはどこにでもあるし、私が常用していたクスリが売っている。私は手を出さずにいられるのか。市販薬依存から足を洗えるの
少女の口から吐かれた煙は 鳥になって飛んでいった もう一度吐かれた煙はすぐに 蝶になって舞っていった 鳥も蝶も暗い月を目指して 煙に戻って消えていった 私が彼女に手を伸ばしたら 私の指先は煙になった 暗い、暗い月を目指して 絶望を背負って飛翔しよう いつかそこに辿り着くまで あなたは煙を吐いていて。
眠りは、小さな死だ 眠るのが苦手な君に睡眠薬を飲ませて 小さく、小さく、殺してあげよう 輪廻転生してもう一度君は 君としてこの世界に目覚める ハルシオン?マイスリー? ロヒプノール?ベゲタミン? それともアモバン、ルネスタがお好み? 眠るのが苦手な君に無理やり飲ませて 君を小さく殺したい 君を小さく殺したい。
闇を這う 暗がりを這う 甘い煙に包まれた彼女の瞳 動けなくなる ただ、息を飲む 闇を泳ぐ 暗がりを泳ぐ 彼女のくちびるが吸い口に触れる 甘い煙が全てを隠す 魅惑 魅了 語彙が足りない 彼女の病みを言い表すには 思考の止まった頭では。 病みを這う 病みを吐き出す 甘い煙に満ちて わらって ただその暗い瞳に 墜ちていくだけ model:実咲
元気にしているかい? しているわきゃないだろうね。 教室の隅で本ばっかり読んで、クラスメートを内心馬鹿にして、こいつらと話すよりも本を読んでる方がずっとマシだと思っていたね。 そして、死にたいと思っていたね。 16で死のうと思っていたね。 それが出来なかったら18で、20で、22で、絶対に死のうと思っていたね。 ところがさ、私、それを過ぎても生きちゃってるんだよ。 死にかけたけど、生きてる。 でも君の死にたいという感覚は嘘じゃないよ。 でもちょっと太宰に感化されす
クレオパトラは 真珠をワインに溶かしたという あなたは今宵何を溶かしたの 憂鬱か 悲哀か 喜びか 歓喜か 何にせよ あなたのくちびるに触れ、飲み込まれる その液体は歓喜に満ちる 美しいもの それは 全人類が守るべきものだ 彼女のくちびるを通して胃に入った液体は 何より尊く、信仰の対象にすらなる 少女よ! いや、 お酒を飲めるのは少女ではないかもしれぬ そんなこと、知ったことか。 少女よ! 残忍であれ。残酷であれ。 その美を大いに利用するが
今日はADHDの不注意が優勢。あとアカシジアっぽいのでずっとそわそわしている。文章を書いてはやめて本を読んではやめて、とりあえず安定剤を飲んで布団に入った。ああ馬鹿馬鹿しい。そわそわする。
どんな不幸が襲ったって どんな地獄が待っていたって あなたは貼り付けた笑顔で にこにこ笑って見せるのでしょう そしてひとりになったとき 誰にも気付かれず泣くのでしょう 貼り付けた笑顔をわたしは取りたい 泣いていいんだよ、と背中を撫でたい それでもあなたはやっぱり笑って 貼り付けた笑顔で微笑むのでしょう。 女神に嫉妬されてしまったあなたは そんな魔法をかけられて ひとりになった時だけに 世界を呪い 世界を拒み 本当の顔で泣くのでしょう mod
多くの人は、「えっ、そんな憂鬱になって寝込むような病気なら、痩せて、やつれるんじゃないの」と、思っている。 確かに、私は、うつ病になった当初、痩せに痩せた。 ガリガリだったと言っていい。 そんな私が、ある時から、「太る」ようになった。 どのくらいかって? 一番痩せていた時から、プラス20キロだ。 私は拒食症になったこともあるのだけれど…その話はまあ、別途違う記事で書こうと思う。 うつ病が太るなんて外に出て運動をしてないからだ! 引きこもってだらけているからだ! そんな
服薬自殺未遂に後遺症が残らない、と思ったらそれは間違いなのだ。私は右足の神経がやられ、筋細胞が壊死し、麻痺が残った。少しずつ回復しているけれど、麻痺が解けて痛みに変わる時の痛みと言ったらない。足を抱えて泣きじゃくるほどだ。少しずつリハビリをしている。歩くことのできる有り難さ。
ここを見ている方たちは、文章や、本を読むのが好きなのだと思う。 勿論、私もそうだ。 うつ病になりフリーターとして生活を始めた私は、「それ」に気が付くのが随分と遅かったかもしれない。朝起きて8時間働き、帰ってお風呂に入る…もう、ギリギリの状態で。健常者からしたら何をそんな、と思うかもしれないけれども、本当に、それだけでへとへとに疲れてしまい、後は憂鬱と不安感で泣いて眠り、だけども不眠なので眠れない…。 本を読む余裕はおろか、文章を書くなんて全く出来なかった。 「それ」に気
世界から嫌われてしまったのか 世界を憎んでしまったのか ねえ、あたし もう消えたいの 流す涙ももう無いと やんわり わらって ゆっくりと まばたきをして そう言うの 死に損ないのわたしは痛いほどわかって じゃあ、お願い あなたが死んでしまった時にはさ、 どうかわたしに死化粧をさせて きっと、世界一、 綺麗にしてみせるから。 そして防腐加工を施して 博物館に寄贈するの 眠れる美少女っていうタイトルで わたしがたくさん説明を書くね。 mode
雪のような白い肌 血液のように赤いくちびる 黒壇のように黒い髪 毒林檎を齧るのが趣味の 悪趣味な少女がおりました 毒林檎なんか食べちゃダメって でもわたしはこれがいいのって もっともっと毒林檎を求める 食べるたびに綺麗になって 魔法の鏡だってひれ伏しちゃうの 毒林檎を食べて苦しむクセに また次の日には齧ってる 昨日よりも綺麗になって 世界中の誰より綺麗になって 王子様もひれ伏すだけ そんな少女が、 おりました。 model:実咲
中学生のころ、私は吹奏楽部でパーカッション(打楽器)をやっていた。 これは、どこにでもいる中学一年生の、淡い、恋心の話。 吹奏楽部に入ったのは何となくだった。 運動は苦手なので文化部に入ろうと決めていて、今なら演劇部に入ると思うけれど、まだまだ引っ込み事案だった私にとって、舞台上で一人でセリフを言い、演技をする…それはなかなか難しいと思った。 あと検討したのは美術部だけれど、私は絵が下手だし、何か違うかな、と思ってやめた。 半ば消去法のような形で、私は吹奏楽部に入部した。
2019年四月初頭、平成という私が生まれた時代が終わり、令和という新しい時代が来ると世の中が沸いているその時に、私は、一度死んだ。 四年間患ったうつ病のなれの果てだった。 学生時代は勉強に励み、割と名の知れた大学に入学し、就活にも「成功」と呼べるような内定を貰ったあと、発病した。内定は断らざるを得なかった。何とか卒業したものの、私に残ったのは、絶望と、虚無感だった。 今まで頑張ったのはいったい何だったのだろう。 勉強をしていい大学に入って、いい会社でバリバリ働く。その為にや
そちらの様子はいかがでしょうか 私も、たくさんたくさん薬を飲んだけど 指一本動かさせなくなったけど 結局、生き延びてしまいました 「後少し発見が遅れてたら」とか 「よく呼吸が止まりませんでしたね」とか お医者さんに言われたけれど 生きてることに 変わりありません 南条あや様、教えてください。 貴女は、最後のカラオケボックスで 何を歌いましたか 涙は流しましたか 何を最期に考えましたか 私は何も考えなかった 淡々と、クスリの山を作って それを、世界