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離婚まで365日

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2022年1月の記事一覧

離婚まで229日

離婚まで229日

捨てる神あれば拾う神あり、
というのは本当だなと思う。

フリーランスとして起業してから数ヶ月。
もらえる仕事はまばらだけれど、
依頼はボツボツ続いている。

今、一人暮らしをしたら、贅沢はできなくても、
そこそこ暮らしていけるのではないか。
フリーランスで働くというのは、
きっとこういうことなのだろう。

もちろんこれだけでは十分ではないから、
1年後には、副業も軌道に乗せる。
そのための準備も

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離婚まで230日

離婚まで230日

再び、ジムに通うことにした。

半年前に通っていた時は、
運動不足を解消するための暇つぶしだったけど、
今回は真剣に筋トレをすることにした。

月会費の5,000円は、もちろん自分のお金で支払うから、
今の収入で捻出するのは正直、痛い。
少しでも貯金した方がいいのではとも思う。

それに、ジム通いが彼にバレたら、
「そんな暇があるのか、お気楽だな」と
イヤミの一つも言われるだろうし、
経済的にも余

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離婚まで231日

離婚まで231日

暴言は録音しておくように言われたので、
パッと見にはわからない、
ペン型のICレコーダーを買った。

いつ暴言が始まるかもわからないので、
スイッチはずっと入れっぱなし。
けれど、連続24時間しか持たないから、
こまめに充電もしなければならない。

そして、こっちがこういう準備をしていると、
なぜか彼は、穏やかな態度に変化する。
思う通りにはいかないものだ。

暴言は、できるだけ言われくない。

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離婚まで232日

離婚まで232日

生活費のほとんどは、彼が負担してくれていた。
もちろんそれは感謝していたけど、
私はそれを、当然のことだとも思っていた。

なぜなら、生活費を出してくれているから、
彼のモラハラや言葉の暴力、そして浮気も、
我慢することができていた。

私の中では、一種のトレードオフ。
結婚生活を続けるための、
交換条件のように考えていた。
私にとっては数少ないメリットだった。

でも、それにあぐらをかいていたの

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離婚まで233日

離婚まで233日

思いついたときに、
離婚の材料となるものをメモしている。

ふと思い出したのが、ケンカの時に言われた言葉だ。

「浮気はいい気分転換だったのに」
「浮気で息抜きができてたのに」

挙げ句の果てに

「そんなに悪いことだとは思ってない」

彼の中で、浮気については罪の意識がほとんどなかった。
見て見ぬ振りするのが妻としての礼儀だろ、とすら、
思っている節があった。

浮気してるのは、俺だけじゃない。

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離婚まで234日

離婚まで234日

今、離婚に向けて、彼の悪行の証拠を集めているんだよ。

そう親友に報告したら、彼女はこう言った。

「それと並行に、
 妻としてどんなことをしたのかもまとめておいた方がいいよ。
 彼にどれだけ尽くしたか。
 配偶者として、責務を全うしたか。
 自分に非がないところは、きちんとアピールできるようにね」

なるほど、確かにそうだ。

料理と洗濯、ゴミ出しは私の仕事。
でも、掃除は彼の趣味でもあるから任

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離婚まで235日

離婚まで235日

仕事の合間を縫って、
離婚に向けて必要な書類を集め始めた。

浮気の証拠。
見るたびに腹の立つ、LINEのやりとり。
ハートマークがいっぱいで、旅行の相談をしている内容だ。
すでに彼は浮気は認めているけれど、
全てが終わるまでは、証拠は絶対に消せない。

モラハラ、言葉のDV。
親友に送った、ケンカの内容が書いてあるe-mail。
ふと思い出してメモに取っていた、彼の暴言。
携帯に眠っているいくつ

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離婚まで236日

離婚まで236日

そうだ、彼の事業には借り入れ金があった。
私はその書類に、サインをしていた。
彼の目を盗んで、急いでその書類をコピーする。

もちろん彼は、
「離婚までには、全ての書類から名前を外すから安心していい」
と言っていた。

でもそんなの誰が信じられる?
散々嘘をついて、私を裏切ってきたくせに。

これは絶対に、離婚条件の中に入れておかなければ。
別れた旦那の借金を背負うなんて、
そんな馬鹿馬鹿しいこと

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離婚まで237日

離婚まで237日

私は彼の仕事を少し手伝っていたから、
その引き継ぎや、
先方への根回しも必要だった。

彼の助けになると思って協力したのに、
今となってはそれが逆に、足枷になってしまった。

「余計なことしてくれたよ」

彼がポツリとつぶやいた。

「オマエに頼むんじゃなくて、外注すればよかった」

今更そんなことを言われても。
仕事を頼むときは、調子のいいこと言って、
私をうまく利用したくせに。

私の名前を使

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離婚まで238日

離婚まで238日

モラハラの証明で、一番有効なのは音声だ。

実はいくつか録音してあるのだけど、
どうしても聞き返す気になれない。

怖くて嫌な思いをしたのに、
それをもう一度思い出さなければならないなんて。

性暴力にあった人が、
裁判に踏み切るまで時間がかかるのも無理はない。
二度と思い出したくないことを、
証拠を添えて提出しなければならないのだ。

これはこのまま、もう少し眠らせておこう。
今はとても聞く気に

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離婚まで239日

離婚まで239日

私は、
彼のモラハラを示すような証拠を探し始めた。

残念ながら日記は書いていなかったが、
ケンカが起きるごとに、親友にメールを書いていたのを思い出す。

何年も前から遡り、膨大な量のe-mailを1通1通、確認していく。
私から彼女に送った内容は、
彼から浴びせられた、ひどい言葉のオンパレードだった。

「お前なんか、なんの役にも立たない」
「男は浮気する生き物だ」
「俺は変わらない、お前が変わ

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離婚まで240日

離婚まで240日

私が調停離婚を躊躇するのは、
彼に対する「家族への情」と、
追い詰めては可哀想だと思う「憐れみ」の気持ち。

けれど、協議離婚で穏便に解決してしまったら、
浮気、モラハラ、言葉のDVなど、
数々のルール違反を証明することができなくなってしまう。

彼のことはいまだに憎みきれないけど、
自分のやってきたことについては、責任をとって欲しいと思った。

私は彼を追い詰めて、仕返しをしたいわけじゃない。

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離婚まで241日

離婚まで241日

私たちは共通の友人が多く、
仕事も少しかぶっていたため、
離婚後も、連絡を取る必要があるように思えた。
そのためにも、やはり穏便に済ませた方がいいのではないか。

調停にせずに協議離婚にし、
私が頭を下げれば、引っ越し代の数十万円くらいをもらえるだろう。
それで我慢した方が、この先のためにもいいのでは・・・。

そんな考えが、何度もよぎる。
「調停」という言葉の強さに、すっかり及び腰になってしまっ

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離婚まで242日

離婚まで242日

この後に及んで、まだ躊躇している自分がいる。

いや、離婚についてはもう、腹を括っているし、
弁護士にもお願いするつもりでいるけれど、
どうしても「調停」に抵抗を感じてしまうのだ。

それはまだ、唯一残っている、彼への感情、
「家族としての情」だと思う。

私は、彼の良いところも悪いところも、
強いところも弱いところも、彼本人以上に理解していた。

彼のことは憎むというより、哀れに思ってしまうこと

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