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纖歌

沈櫻『纖歌』

蓮塘煙波乃夕嵐 丱童仰紫氣爛然
故園綠竹凌崑山 羅敷紅顏惠行天
雲霓集兮霓爲衣 纖歌凝兮彩雲歸
霓爲衣兮風爲馬 月昇霜兮霜爲羽

蓮池の煙るような波が夕靄となり、
丱角(みずら)の童は輝く紫の気を仰ぐ。
故郷の庭園の緑竹が崑崙山を凌ぎ、
美女の紅い顔が天に恵みをもたらしにゆく。
虹雲がつどって虹を衣となし、
かすかな歌声がこごり彩雲が帰ってゆく。
虹を衣となし風を馬となす。
月が昇って霜を羽となす。

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