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扉をしめて

うしろ手に扉をしめて
手さぐりに歩きだすと
扉の向こうで
ざわめきが遠く聞かれた

私はおまえを置いていく

はだしの足から
心の底まで冷えてしまった

私は自分と暗闇との区別がつかない

足取りとともに
私はこころをなくしていった

私はそれでも
歩をゆるめることはなかった




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