特装版製作の裏側

生活の発売にあたって、特装版を制作することに決めた。
コンセプトは「土蔵」。
本文に収められている連載「土蔵」にちなんだものだ。




▼コンセプト準備


まず最初に考えたことが漆喰で本を固める。

しかし漆喰で本が固められるのかよくわからないので、近所にある左官屋さんを調べてメールをしてみた。
突然「本を漆喰で固めたい」などという相談メールが来て驚かれたことだろうが……「面白いですね」と言って相談に乗ってくれた。さすが、阿佐ヶ谷の左官屋さんはちがうぜ。

結果わかったのは、漆喰は2、3ミリの厚みで塗るらしい。つまり強度がそんなにないのでコンクリートブロックのような固め方できないようだ。
さらに声日記をやってつながった。まーちんさんと言う方のお父さんが左官屋だと判明。聞いてみたところ。どうも漆喰よりも石膏の方が扱いやすいので、それで型を作ってみてはどうかと言われる。プラ板とかも良いと言う話を聞いて、実際に早速購入してみた。

▼資材集め・製作



まずは石膏を購入。これを流し込んで型を取る。
次に本が入る程度の大きさの形を作るために、既製品の容器をいくつか買ってみた。これを組み合わせればうまくできるんじゃないか?……この考えが甘かったことが後に判明する

いくつかの型
意外と簡単に固まった

▼試行錯誤す

本の形の穴を作るのがむずい。

発泡スチロールで本の大きさの方を作り枠に固定した


取り出す
なんとなくギリギリできているような気がする

あっさりと型が取れた。

うーん、なんかちがう
いいんだけどなあ……
このくらいちゃんとしたい
なんか活用したい粘土
やはりプラ!
きれい!
絵の具入れてみたけどいらないな
かわかす

結論。
ちゃんと測って作ったほうがいい。


▼バージョン変遷

粘土→だけど、ちょっと粗い高さ足りず
プラ板→安くて綺麗
木の型枠→綺麗だが計算失敗

木の型枠
完全に設計ミス
乾かす


水分を抜かないと湿気がすごい

▼なんとか完成した


まずは試作品、これは本入れたらサイズあわず、売れない


粘土のやつ試作品、色塗った
これはこれで綺麗だけど試作品なのでお蔵入り
石膏おもろ
角の金具がむずい

幸いもう一つの同じ型のやつは折丁が入るので整えて完成。こちらは折丁がひとつしかないのでこのひとつ限定。

次に製本バージョンが入るやつ。

最終的に二種類、3個の土蔵が完成。


制作日数は約1ヶ月……手間がかかりすぎた。
こちらでお迎えできます(折丁エディションはすでに完売)。

動画はこちら

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