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ケモノの医者の体験談 vol.1 就活秘話 子供を預ける【家庭福祉員編】

はじめましての自己紹介

私は獣医師で今は小さなクリニックをやってます。

たまに獣医だからと人の病気について聞かれることもありますが、動物と人間は違うところも多いので、そういう時には「いえいえ所詮、医者という字の頭にケモノがつきますからわからないんですよ~」と言っています。

ケモノの医者の私は、獣医師国家資格を取得して大学を卒業した年に結婚と出産をしたので、卒業してから1年半くらいは育児に専念していました。

実は内定していた動物病院もあり、卒業した春からバリバリ勤務する予定でしたが、在学中に妊娠がわかってしまったので内定取り消しになってしまいました。

夫は他大学の工学部で全くの畑違い。結婚したときはやはり新卒&新入社員。

卒業もギリギリだったくらいだったので、なんとか就職できた会社はとっても小さなところ。お給料は一般的だったとは思いますが、なんせ入り用でしたので、私の両親や夫の両親に助けられながらの生活&子育てでした。

脳ミソが溶ける…

金銭面では厳しかったですが、体力&精神面で家事と育児が大変だったかといえばそうでもなく、朝食を食べない夫だったのでいってらっしゃいも適当、子供と一緒に起きて家事も適当、子供がお昼寝すればコソっとビールを飲んでネットやってたり。

子供が起きれば私も活動し始め2人で買い物行ったりできるので、なんて幸せな生活なんだろうと思っていました。できればもうちょっとお金があったらなぁ、ぐらいで。

当時はプログラマーの卵だった夫が何かのきっかけでHTMLタグをちょっとだけ教えてくれたので、独学で勉強しながらHTMLページを作ったり、ネット麻雀をしたり、ネットサーフィンをしたりの日々でした。

いっぽうで少しでも収入になるようにと、大学時代の先生が仕事のない私に専門書の翻訳のお仕事をさせてくれていました。

とってもとってもありがたいことなのに、そして時間がたっぷりあるはずなのに、原稿の提出期限に間に合わないことが多々ありました。

ある時は、間に合わないので当時のエキサイト翻訳を使ったりして、思いっきりバレて叱られました…。

夜泣きをあまりしない子だったので夜は子供と一緒に寝ればいいのに、夜に限って(でもないか)つい飲みながらネット麻雀にふけってしまったりなど、私生活は不摂生極まりありませんでした。

このままでは脳ミソが溶けてしまうと思い、第1子である長女が生後9ヶ月になったころ、そろそろ国家資格を生かして働き始めようと思いました。

まずは子供を預けなきゃ。

当時は待機児童まっさかりの時代。まぁ今もさして変わりないと思いますが、働いていたお母さんたちがいったん産休や育休に入ったあと仕事復帰するのも難しいくらいでした。空きがあればそれを逃すと次はないかもしれないので、タイミングによってはまだ育休が残ってても子供が小さくても復帰するのが普通でした。

もともと働いていた人が復帰のために預けるのも難しいのに、仕事がまだない人間が子供を預けるのはもっともっと難しい。

仕事をしていた人が復帰できることが優先されるため、これから就活する人は後回し。でも生活のために働らかなきゃいけないのは皆同じで、預けなければ仕事は探せないのに仕事がないと預けられないと言われてしまう。

このジレンマは何だ?と感じました。

役所の保育課の窓口に行ったら、やはり待機してる方がたくさんいるので公立の保育園はかなり厳しいと言われ、家庭福祉員さんのところでの保育を提案されました。

家庭福祉員さんって?

家庭福祉員さんは保育士などの資格を持ち、普通の家庭で子供を預かってくれる人です。保育ママとか家庭的保育員とも呼ばれます。保育園を引退したシニアの方がやっていることが多かったです。

当時は福祉員1名で0歳~3歳までの子供を3人、補助員がいれば2名で5人までの子供をみてくれました。保育園と異なり親の仕事がなくても預かってもらえるので、例えば親(自分)が病気であったり、家族の介護があるなど色々な状況で利用できます。

ただし、福祉員さんや自治体によって多少違いますが預かってくれる時間は8時半~17時くらいまで。保育料も当時は未認可扱いだったので補助が出ず、月6~8万円くらいかかりました。

定員や保育時間、保育料などは自治体や家庭福祉員によって多少違いますが、現在では認可保育所と同じ保育料で利用できるようになっています。

当時の夫の給料と家賃(都民住宅)や生活費とのバランスを考えると、当時の家庭福祉員さんの保育料は非常にキツイと思い悩みました。

それでもまずは預かってもらわないと就職活動できないと考え、たまたま隣駅の家庭福祉員さんのお宅で1名空きがあったのでお願いすることにしました。

ちなみに、人との出逢いは運ですが、我が家がお世話になったのはとても素晴らしい保育をしてくれる福祉員さんでした。

お外でどろんこになって遊び、冬でも厚着をさせず、多少鼻水を垂らしていることもありまりたが気にしない(^^;

人間、汚れないと丈夫にならないのです。

お陰でその方にお世話になった長女は、最初は発熱などで頻繁に呼ばれていたものの、段々と熱を出さなくなり、今では全くの風邪知らずでお腹を壊したりしたこともほとんどありません。

経済的に許されたなら、次女の時も預けたかったなぁと思うくらいです。

役所の人は味方につける!

ところので役所の担当さんは誰か一人にターゲットを絞って仲良くなったほうが良いです。相談もできるだけいつも同じ人にしましょう。

ただし最初の印象がイマイチだったら別の人にあたってみましょう(こんなこと言っていいのかわかりませんが…)。

仲良くなりつつも、えこひいきしてもらおうなんて思ってないよ…と謙虚な態度を見せながら、困った現況を伝えたり、担当さんがいないときはコソっと「今はどうですか~?」と空き状況を伺うなどして、必ず誰かに声をかけましょう(来ましたよアピール)。

そして待機児童や保育所の埋まり具合が書かれたボードなどがあれば、それをじ~っと眺め、ため息の1つでもつく(^^;

役所側も表向きは絶対に優遇するとかはしませんし、言いません。付け届けも絶対にダメです。拒否されますしむしろ逆効果です。

でも純粋に訴えかけたら印象に残り何かの折に無意識に考慮してしまうのが人情ってものです(と、勝手に思っています)。だからダメもとでもいいのでちょこちょこ通った方が良いです。

ただし迷惑な人にならないことが大切。「うわ…あの人また来た」というほうの印象を抱かれてしまわないよう、節度と礼儀をもち、役所が忙しそうなときには帰りましょう。

そして担当さんは移動してしまうこともあります。というか、たぶんいろいろな癒着を防ぐためにある程度の年数で移動するのが普通なのだと思います。

でもせっせと通うことで、もしかしたらなんとな~く後任に引き継いでくれるかもしれないし、第2子や第3子がもし生まれたらその時にもまたお世話になるかもしれないのです。引っ越し先で以前の担当さんと偶然…なんてこともあるかもしれません。

なので誠実に丁寧に、そして素直にこまめに役所を頼る方が良いと思います。

次回は就活のスタートです。

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