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幼稚舎にコネや縁故は存在するのか②在校中の兄弟や姉妹がいるケース


幼稚舎を受験するうえで、頻繁にささやかれる『コネや縁故がないと合格できない』という噂。その真相は『あれば有利に働くが、合格を確約できるコネや縁故は存在しない』という結論で間違いないと言っていいでしょう。では、コネや縁故はどのように有利に働くのか、解説していきます。

幼稚舎に在校中の兄弟や姉妹がいる場合、合格する可能性ははるかに高まります。いわゆる兄弟枠、姉妹枠と言われているものですが、学校側はどのように見ているのでしょうか。あるいは、第一子を通わせているご家庭は、それをどう活かせばよいのか確認していきたいと思います。

1.在校生と卒業生の違い

まず、現在お子さんが幼稚舎に通われているご家庭と、既に幼稚舎を卒業されたお子さんをお持ちのご家庭についてですが、そこまで大きな違いは無いでしょう。強いて言うなら在校中の方がやや加点要素が高いと言えると思います。

それは、その生徒を知っているテスターがどれだけ多いか、という違いです。在校中であれば『お、〇〇くんの妹か』という期待感をもって試験中の様子を見てくれるテスターも一定数いるでしょう。一方で、卒業後数年経っていれば、その生徒を知っている先生も少なくなるかもしれませんし、記憶も薄れていくことも考えられます。大切なことは、試験中にどれだけ多くのテスターに目を付けて貰えるかという事ですから、卒業生であっても、在校中に目立った活躍をしていれば、当然第二子への期待感も高まりますから、在校生か卒業生かはほぼ誤差と考えても差し支えないでしょう。

それでは次に、兄弟枠、姉妹枠が具体的にどのように受験時に作用するのか見ていきたいと思います。

2.兄弟枠が有利に働く理由①

教育方針が同じ家庭で育っているという安心感
まず、長男や長女が幼稚舎に入学している場合、少なくともその子自身は幼稚舎が求めるお子さんであったということです。そのようなお子さんを育てられたご家庭への信頼感は高く、兄弟で性格の違いはあれど『きっちりと育ててこられたご家庭だ』という安心感があります。試験の結果、仮に同等レベルのお子さんと競り合っている場合でも、そのようなプラスの因子が働く可能性があります。

ただし、これにも例外があります。入学した第一子が問題児であった場合です。入試当日、歯車がうまく噛み合って運良く合格を勝ち取ったまではいいものの、入学後に化けの皮が剥がれ始めるという事もあります。この場合、第二子以降の試験結果に大きく響くことになりますので、兄弟、姉妹で幼稚舎を考えている方は、第一子が入学できたからといって気を抜く事はできません。

逆に、第一子が幼稚舎内で良い意味で目立つことができれば、第二子以降の加点要素になる為、学内の任意の活動にも積極的に参加したり、夏休みの自由課題で壮大な作品のサポートをしたりなど、献身的な姿勢を見せる親御さんが多い事も事実です。

3.兄弟枠が有利に働く理由②

願書に説得力が増す
親が卒業生の時もそうですが、第一子を例に挙げながら願書をより具体的に展開することが可能になります。幼稚舎に縁故を持たないご家庭はウェブサイトなどで見聞きした内容がベースになるのに対して、現在進行形で幼稚舎で学んでいる実例があると他の願書との差別化もできますし、何より実体験があるだけで説得力のある願書になります。

例えば、『〇〇先生のご指導のもと、長男は日々貝殻の研究に没頭しています。館山での海浜学校の際に〇〇先生に、貝殻はある国では現代でも貨幣としての価値を持つほど貴重だということを学んだ事をきっかけに、その模様や貝貨について自主的に学びを深めております。このように、新たなモノと出会える豊富な体験学習と、興味の幅を広げてくださる先生との対話を通して、息子(次男)にも探究心を養ってほしいと考えております』といった形で実例を挙げることで、在校中の第一子がしっかりと幼稚舎で学びを深めていて、第二子にもそのような点を期待しているから志望するのだ、というロジックで進めることができます。

ただ、一方で家庭の教育方針や福翁自伝などの部分は第一子と同じで良いのか、といった点で悩まれるご家庭も多いでしょう。核となる部分を無理に変える必要はありませんが、ポイントを押さえてブラッシュアップすることができれば、第一子の時よりも魅力的な願書に仕上げることができます。

3.まとめ

やはり、兄弟や姉妹がすでに通っている(もしくは通っていた)場合は、そのご家庭への安心感や、志望理由の説得力の差で有利に働くと言えるでしょう。これは、幼稚舎のみならず他の私立小でも同様のことです。

しかし、一方で同じ月齢グループに、より強烈な縁故を持った受験生がいた場合には、幼稚舎から『ここのご家庭の長男は入学させたので、第二子は無理に入学させなくても繋がりは確保できる』という判断がなされる可能性もゼロではありません。実際に、第一子は合格だったけど第二子は不合格だったというご家庭も少なくなく、これまで多くのご家庭と接してきたなかで、およそ7割程度は兄弟・姉妹で合格、残りの3割は不合格で横浜初等部を含め別の私立に通わせられている印象です。それでも一般的な倍率と比較すると、はるかに高い合格率ですから、いわゆる『兄弟枠』というものは不文律的に存在していると言えるでしょう。

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