2010年05月09日 スチャダラパー "スチャダラ2010 オールスター感謝祭" セットリスト

暫くの間、他所にあげていたセットリストの掘り起こしを続けます。感想は当時のものですが、ここでは極力その時の文章のままで。

これは2010年5月のスチャダラパーのライブの時のメモ。よく書いたな、こんな長いの…と今更ながらびっくりしていますが、某所にあげたのはライブから2カ月後だったのですね。多分その間に色々テキストが増えていったのでしょう 笑

スチャはこの時期に野音で長時間のライブをやるのが恒例となっていて、この日も盟友の電気グルーヴ、産休直前の木村カエラさん、永積タカシさん(ハナレグミ)やTokyo No.1 Soul Set、RIP SLYME、かせきさいだあさん、LB Nationの面々、そしてスカパラホーンズ等々、豪華ゲストで大騒ぎだったのですが、ダブルアンコールにシークレットゲストで小沢健二さんが登場した時は流石に驚きました。13年ぶりのツアー(同年5月~6月に行われた”ひふみよ”)を控えていたとは言え、このスチャのライブが行われた5月9日まで小沢健二さんは長年の隠遁生活から表舞台には戻ってきておらず、10年以上にわたってメディアにも殆ど登場していなかったのです。当然、この日も事前アナウンスは全くない中、完全サプライズでの「ブギーバック」。

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2010-7-1

スチャダラパーが20周年を迎え、20周年を祝って野音でライブが開かれた。彼らにゆかりのあるシークレットゲストが山ほど出てきて盛り上がった。スチャはいつも通り緩くて、でもアンコールはちょっと泣けて、最後にサプライズがあって…。簡単にまとめるとこんな感じか。

この日は20年を振り返る内容だったが、改めて彼らの懐の深さというか、守備範囲の広さに驚いてしまう。どんなゲストが出てきてもSDPの世界観は崩れないし、しかも楽曲とケンカすることなく見事に寄り添った作品に仕上げてきている。一貫した姿勢、柔軟な創造性。ちょっとだけ韻をふんでみたりしつつ。…ホントはもっとゴタクを並べたいが、長くなりそうなので今日はこの辺で 笑

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スチャダラパー "スチャダラ2010 ~オールスター感謝祭~"
(9 May 2010 / 日比谷公園大音楽堂)

15:30に始まったライブは初夏の陽気。小籔とバッファロー吾郎による前説の後、本日の主役登場。緩いMCを挟みつつも、メドレーに近い形で代表曲をガンガン飛ばす。

01 ノーベルやんちゃDE賞(SDP)
02 スチャダラパーのテーマPT.2(SDP)
03 スチャダラカウント10(SDP)
04 ゲームボーイズ(SDP)
05 スチャダランゲージ~質問:アレはなんだ?(SDP)
06 あんた誰?(SDP)
07 大人になっても(SDP)
08 後者-The Latter-(SDP)
09 ついてる男(SDP)

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ここで最初のゲストとしてアルファが登場すると、その後は、ゲストだけのライブがあったり、SPDとの共演があったり、はたまたSDPだけでやったり、といった感じで更に40曲近くが演奏されていくことになる。ただし、時折絡んでくる小籔、バッファロー吾郎の喋りやBOSE、ANIのMCで緩急がつき、長さを全く感じさせない。客席は満席だったが、中には席を離れて立見席でゆらゆらと踊る人が出たり、酒を飲んで盛り上がったり。どこも笑顔が一杯だ。

10 エクスタシー温泉(アルファ)
11 惚れたぜHARAJUKU(SDP with アルファ)
12 ドゥビドゥwhat?(SDP)
13 From 喜怒哀楽(SDP)
14 ドリジナルコンセプト(SDP)
15 5W1H(SDP)
16 レッツゴー7~8匹(SDP with RIP SLYME)
17 Human Beat Box(AFRA)
18 アーバン文法(SDP with AFRA)
19 Peace Tree(SDP with ハナレグミ、曽我大穂、AFRA)

バッファロー吾郎の木村さんがRIP SLYME、AFRA、そしてこの後登場する数々のアーティストに対して、「お前らよく練習したな!去年より良くなったぞ!」というコメントを連発、客席は爆笑の渦。

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ライブ中盤、「スチャダラパーで野音と言えばLB祭なんですよ」というBOSEのコメントをきっかけに、Little Bird Nationのコーナーが10曲以上続く。The Cartoons、かせき、四街道、脱線3、更にはTokyo No.1 Soul Set。日本でヒップホップが市民権を得ていく原動力となった彼らのステージは、まとめて観るとやはり圧巻。そして何だかよくわからないが楽しい、という空気感。

20 曲目不詳(The Cartoons)
21 さいだあぶるーす(かせきさいだぁ+イリシットツボイ)
22 TVとボクとSF小説(かせきさいだぁ+イリシットツボイ)
23 惨事(四街道ネイチャー)
24 曲名不詳(Three One Length)
25 DAS THE MIC(脱線3)
26 秘密の暗号やしきたかじん(脱線3)
27 ジゴロ7(SDP with 脱線3, Take1)
28 コロコロなるまま(SDP withシャシャミン)
29 let it flow again(SDP withロボ宙)
30 Stardust(SDP with Tokyo No.1 Soul Set)
31 Never Ending Beats(SDP with Tokyo No.1 Soul Set)
32 Sunday(Tokyo No.1 Soul Set)

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ここからはライブ後半。SLY MONGOOSEと「LBコーナー」から引き続きのロボ宙と共にユニット「Hello Works」のコーナーへと進むが、スチャのオリジナルをHello Works版でやってみたり、途中、HALCALIが乱入したり。

33 J・O・B(SDP with SLY MONGOOSE+ロボ宙)
34 SAIMIN'(SDP with SLY MONGOOSE+ロボ宙)
35 under the sun(SDP with SLY MONGOOSE+ロボ宙, HALCALI)
36 ライツカメラアクション(SDP with SLY MONGOOSE+ロボ宙)
37 every single day(SDP with SLY MONGOOSE+ロボ宙)

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40曲目、ゲストに木村カエラさんが登場。3月のカエラの武道館ライブのお返しとしての出演だが、ステージで歌う彼女は今後暫くは観られないわけで貴重な機会。

が、しかし。あまりにも詰め込み過ぎたライブだったため、この辺りから全体的に「巻き」が入ったのか、段取りを無視してピエール瀧が乱入、カエラはコメントもそこそこに瀧と入れ替わって退場となった。そしてここからは電気グルーヴ。ライブはいよいよ終盤である。

38 FUN-KEY4-1(SDP with ロボ宙)
39 ジャカジャーン(SDP with ロボ宙、木暮晋也、笹沼位吉)
40 Hey! Hey! Alright(SDP with 木村カエラ、木暮晋也、笹沼位吉)
41 ANIvs瀧(SDP with ピエール瀧)
42 瀧vsANI(SDP with ピエール瀧)
43 聖☆おじさん(SDP with 電気グルーヴ)

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緩んだMCを続けてきた彼らだが、最後に来て、BOSEが言う。「『あのころ夢見た未来に何でなってないんだ』って思ってるわけですよ」…現在への危機感と未来への希望から作られた「Good Old Future」、そしてこの日来れなかった友人たちに捧げられた「彼方からの手紙」で会場をじんわりと包み、本編は終了した。

44 Good Old Future
45 彼方からの手紙

”Long Long Long Long Time Ago
まだだいたい国営だった頃
21世紀東京の今日
浮かんでたのはどんなビジョン?

暗く 長く 深い 空間
通過 いつか 痛快な 未来

現在 走り出し 期待したい
絶対 遠くない ブライトサイド
シティライト きらめき 輝き
もう一回 未来につながり”
(「Good Old Future」 words by SDP)

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encore 1

46 Get Up and Dance(SDP with ナイチョロ亀井、スカパラホーンズ、LB Nation)

アンコールは、彼らの代表曲のひとつ「GET UP AND DANCE」をスカパラホーンズ、そしてLB総出演で。もうお祭り騒ぎの様に、それでいて彼らのラッパー宣言の様に、狂乱のライブが展開していく。この演奏、これまで聴いてきたどの「Get Up and Dance」よりも良かったんじゃないか?

途中、BOSEが叫ぶ…「青木Drummer達之 in the house!」  SDPにとって長年の友で、スカパラの初代ドラマー、1999年の5月にこの世を去った青木達之さんへ捧げる短いメッセージ。

encore 2

20時が近づき、かつ、「GET UP AND DANCE」が余りにもライブの締めにふさわしいパフォーマンスだったため、「流石にこれで終わりか」といった空気が流れるが、期待と諦めの入り混じる客席からはアンコールの拍手が鳴りやまない。まだ「あの曲」が残っていたからだ。

暫くして、暗がりのステージに動きが見える。あ・れ・は…、中村きたろーさんの頭じゃないか! 笑  目を凝らすと木暮さんがギターを持っている。スカパラホーンズの姿も見える…間違いない。客席がざわつき始める。

演奏が始まり、やがて歌が始まる。その瞬間、ステージに明かりが戻り、ステージ中央では白いシャツを着た背の高い細身のシンガーがギター片手に笑顔を見せていた。

47 今夜はブギーバック(SDP with 小沢健二 and 小沢健二バンド)

…終わった後、BOSEが言う。「あまりに盛り上がっててちょっと引いたもん、オレ…」

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(当日の出演者)
スチャダラパー:
BOSE
ANI
SHINCO

GUEST:
アルファ
RIP SLYME
AFRA
永積タカシ(ハナレグミ)
曽我大穂
The Cartoons
かせきさいだぁ
イリシットツボイ
四街道ネイチャー
Three One Length
脱線3
NIGO
TokyoNo.1 Soul Set
Sly Mongoose(Helloworks)
HalCali
木暮晋也(ヒックスヴィル)
笹沼位吉
木村カエラ
ピエール瀧(電気グルーヴ)
石野卓球(電気グルーヴ)
NARGO(東京スカパラダイスオーケストラ)
北原雅彦(東京スカパラダイスオーケストラ)
GAMOU(東京スカパラダイスオーケストラ)
ナイチョロ亀井
中村きたろー
真城めぐみ(ヒックスヴィル)
中西康晴
沖祐市(東京スカパラダイスオーケストラ)
及川浩志
白根佳尚
小沢健二

司会:
小籔千豊
木村明浩(バッファロー吾郎)
竹若元博(バッファロー吾郎)

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