総合商社で働きたいあなたに!中身について解説します
あなたは総合商社での仕事に興味がありますか?
私は新卒から10年ほど丸の内の大手総合商社でキャリアを積んできました。
今回はその経験から、あなたにとって参考となりそうな情報をお届けします。
そもそも総合商社とは?
総合商社は日本特有の事業体です。英語では"Trading house"などと言ったりします。
もしくは、"Sho-sha"とそのまま表現することもあります。海外に似たような業態がないからです。
強いて言えば、Conglomerate=複合企業でしょうか。
ただ、私の観点では大手総合商社は投資会社に近い業態と言えます。今や収益の大宗が投資によるものだからです。
元々商社は貿易を主業として拡大してきました。特に、資源のない日本にとって海外から石油や天然ガスを輸入することは必須です。
そのように日本の生命線を支えるのが、商社の貿易機能でした。とりわけ、三菱や三井といった商社は国と密接に結びついています。
なぜなら、それらの総合商社が特に資源関連の貿易で重要な役割を果たしていたからです。
トレーディングから投資へ
しかし、貿易だけでは事業が成り立たない時代がやってきます。私が入社するよりも前の話ですが、商社冬の時代と呼ばれていた時期がありました。
日本企業の多くが自ら海外に進出し始めた時代のことです。それまで、商社は海外と日本を繋ぐ役割を担っていました。
しかし、日本企業が力を付け、自分達で海外事業を展開するようになります。そうなると、仲介役の商社はもはや不要となるのです。
そこで、商社は自らも事業者の立場となることを目指します。それによって、「事業投資」という発想が生まれました。
今や、総合商社は全て事業投資によって収益を上げています。
総合商社の違い
総合商社の代表格として三菱・三井・伊藤忠・丸紅・住友が挙げられます。加えて双日・豊通も総合商社です。
そもそも商社という業態がわかりにくいと思いますが、会社毎の違いも意外と大きいものです。
その違いは巷でよく話題になっていたりもします。私の感覚では、世間の評判は当たらずも遠からずです。
会社毎へのコメントは控えたいと思います。しかし、三菱・三井は総合商社の中でも組織が堅牢と言えます。
堅牢という意味は、守りが堅い組織ということです。
商社ではよく「職能」という言葉が使われます。それは、社内でも職能によって役割が変わるからです。
昔は職能Aとか職能Bと区別していたそうですが、今では撤廃されています。ただ、その考え方は今でも残っています。
職能は営業か、コーポレートかで大きく分かれます。営業とはビジネスを開発・運営する側の組織です。それに対し、コーポレートとは財務・法務・リスク管理・会計・総務など多くの会社機能を指します。
そして、三菱・三井は特にコーポレートの組織が強い力を持っています。
営業が攻め、コーポレートが守りと考えてください。営業は色々な案件を日々探し、社内で進めようとします。
それらを審査・吟味するのがコーポレートの役割です。そのコーポレートの分厚い壁を突破した案件だけが実行に至ります。
私の経験では、その壁を越えることがとても大変でした。私はずっと営業側の人間で、色々な新規投資の案件を実行してきました。その過程で、千本ノックのようなやり取りを何度も繰り返したのを覚えています。
結論
総合商社は日本特有の業態です。
元々は貿易を主業としていましたが、今や全ての総合商社は事業投資によって収益を上げています。
そして、組織は主に営業とコーポレートに大別されます。三菱・三井はコーポレート機能が特に強い組織です。
それゆえに守りに強い会社と言えます。
今回は総合商社について紹介するブログの第一弾です。これから、皆さんが疑問に思うような内部事情のあれこれをご紹介します。
楽しみにしていてください!